ゾイドのバン・フライハイト編

作・兜

この物語は、アニメ(ゾイド狩り)で放映された物の真実の話という設定でカキマス。

俺(バン)は鳩尾を殴られ気を失い倒れた。
気がつくと、狭い部屋(檻みたいな部屋)に、後ろ手に手錠をかけられ閉じ込められていた・・・。
「機分はどうだい、バン。」
船長が覗き込むようにして俺を見る。
「いいわけねえだろ・・・。」
俺は船長を睨んだ。廊下から、足音が聞こえてくる。誰かが来たようだ・・・。
「君にはずいぶんと喋ってもらうことがある・・・。いいかいバン、喋らないだけ無だってもんだよ・・・。」
聞き覚えがある声だが、ここからは、逆光で顔が見えない。とっさに、
「お前は誰だ?」
と、聞いた。
「ふふふ、忘れたのかい、レイヴンだよ。さあて、これからどうするか・・・・・。
時間がないからな、早いとこ君のジークを呼んでくれないか?」
「ジークをどうするんだ?」
ジークは、俺が小さいころ遺跡で見つけたゾイドだ。ジークは、オーガノイドと呼ばれる貴重なタイプのゾイドだ。だから、レイヴンには渡したくない。
レイヴンは鼻で笑いながらこういった。
「バラバラにして研究材料にするんだ。オーガノイドの能力を調べるためにね。まあ、君が呼ぶまで君は痛い目にあう。どうするかは、君次第ってわけさ。」
レイヴンは、右手にナイフを持って俺に近づいてきた。そして、俺の目の前でそのナイフを一気に引いた。一瞬俺はきられるかとおもったが、レイヴンは俺の上の服だけを、見事に切った。
「本当は、君を切ってもよかったのだがね・・・。さぁ、立て!」
レイヴンから合図を受けた船長が、銃を持って俺を脅してきた。仕方なく俺は、奴らの言うとおりにした。
しばらく歩くと、廊下に白衣の男が立っていた。その手には、注射器が2本あった。俺は、無理やりそのうちの1本を打たれた。とたんに、俺は眠くなってきた・・・・・。

目がさめると、俺は拷問室と書かれた部屋ののベッドに革のベルトで縛られていた。近くには、いろんな機械が並んでいる。上半身裸なので少し寒い。
「寒いのか・・・。たしかに寒いな。よし、誰か暖房を入れてくれ。」
いつのまにかレイヴンが来ていて、そう指示した。そして、俺の乳首に心電図を測るような機械の吸盤が取り付けられていれた。
「何のつもりだ?」
俺の問いにレイヴンが
「これはちょっといい改造をした機械でね・・。後から役に立つかもしれないな・・・。おい、バンに打て。」
レイヴンの指示で、白衣の男が俺にまた何かを打ってきた。両手足は動かないが、首は何とか動かせる。それで、レイヴンを見ることができた。
「今のは、自白剤だよ。時間がないのでね・・・。ジークはどこだ?」
気が遠くなってきた。頭の中にレイヴンの声がこだまする。だが、俺はレイヴンにジークの居場所を教えなかった。
「そうか。それが君の答えか・・・。なら、こうしてやる!」
レイヴンがスイッチを押すと、俺の乳首に取り付けられた吸盤から、電気が流れてきた。今までに食らったことがない痛みだ。
「グウウウ・・・・・・・・アアアアアアアアアアアッ!!!」
「こたえる気になったか?・・・チッ、気を失いやがった。もう一度だ。」
またさっきの痛みがきた。しかし、さっきのより痛みは少ない気がする。でも、痛いのは確かだ。
「アアアアアアッ!・・・・・・・ジーク・・・・。」
「答えろ!ジークはどこだ?」
自分でも、やつに打たれた自白剤が効いてくるのが分かる。いっそのこと、言ってしまおうか・・・、そういう考えがしてきたからだ。
そのとき、レイヴンの無線機に通信が入った。
「俺だ・・・。そうか、で?・・・・よくやった。傷つけずにつれて来い。いいな?」
その通信は、何かを捕まえたらしい、という内容みたいだ。
「君のジークは捕まえたよ。君には死んでもらうが、捕獲隊の連中がジークを殴って壊しそうなので、君が先に呼んでくれないかい?そうしたら、君を生かしておく。どうするかい?」
俺は、心の中でジークに聞いた。大丈夫かと。そしたら、大丈夫と返ってきた。
俺はやつの罠だと気づいた俺は、ジークを呼ぶフリをすることにした。
「ジークよ、私の所に来い!・・・レイヴン、ジークはどこで見つかったのか?」
「ここから35キロぐらいの森だ。」
「それなら来るのに20分はかかるぞ。」
「まあ、いい。ふふふ・・・。これで君は用なしだ・・・。おい、連れて行くから手伝ってくれ。」
レイヴンがそう言うと、俺を縛っていた革のベルトが外された。とっさに、俺はレイヴン達を突き飛ばして、逃げ出した。さっきの電撃のせいで、思うように走れなかったが、そこら辺においてあったダンボール箱をかぶってやり過ごした。10分ぐらいたって警備兵の数も減り、1段落したころに、俺は階段のほうに走った。この階段を降りると、ゾイド庫らしい。俺は、そこに残っていたゾイドに乗りこんだ。
「だから、君はバカなのだよ・・・。」
そこには、銃を構えたレイヴンがいた。ゾイドを起動させている間に、周りには警備兵が来ていた。その警備兵に向かってレイヴンが手を振って合図している。警備兵には見えづらいらしい。それで、レイヴンは両手で合図した。銃はレイヴンの手の中にあるが、銃口はこっちを向いていない。今がチャンスと思い、レイヴンにつかみかかり、銃を奪った。そして、レイヴンに向けた。
「ま、まってくれ。君がここで打つと、警備兵が来てしまうぞ。」
レイヴンが、命乞いをしてきた。俺は、
「かまわない。君をやれるのなら、今ここでやる。」
そう言ったが、いいことを思いついた。レイヴンと俺は大して体格が変わらないことに気づいたのだ。それで、俺とレイヴンとすりかえようと、考えた。
「ここで、服を全部脱げ。でも、そのウェットスーツみたいなのだけでいい。分かったな?変な気を起こすと打つ。いいな?」
レイヴンはしぶしぶ脱ぎ出した。どうやら、ウェットスーツみたいなのの下には、パンツしかはいてなかった。やつに俺のズボンをはかせると、逃げないように後ろ手に手錠をかけた。そして、俺がやつのウェットスーツみたいなのを着た。そして、隠し持っていた変装用のマスク(俺のとレイヴンの)を、俺はつけた(レイヴンの顔)。レイヴンにそのままつけようと思ったが、万が一騒がれると困るので、つきにガムテープをはってから、マスク(俺の顔)をつけた。
何も喋らないと怪しいと思われるので、マスクにもガムテープをはった。
見た目はぜんぜん分からない。レイヴンは上半身裸で見つかって手錠をかけられているの俺の姿に、俺はレイヴンになった。違う点といえば、レイヴンのほうがちょっと腹筋がすくないようだ。
「バンが逃げてから、15分たった。この飛行母艦型ゾイドは、現在上空300メーターにいる。バンが飛び降りれるはずがない。このゾイド内にいることは確かだ。きちんと探せ!」
下を見ると、警備兵の隊長が指示を出していた。
「おうい、バンがここにいた。今から下りる!」
俺はそう言って、レイヴンの手錠がもう1つあったので、やつの足にかけてから、やつを担いで下りた。
「レイヴン様、お見事です。ジークはもう少しで来ると思いますが、こいつはどうしますか?予定通り、新型拷問の実験台に使いますか?」
俺は、逃げてて正解だと思った。レイヴンめ、変なことを考えているやつだ・・・。
「いや、ジークが来るまで、待とう。来たら、実験台に使う。」
俺がそう指示をした。どうやら、ばれていないらしい。
「そうしましょう。お前達、ゾイド庫の発進扉を開けろ!スイッチを入れる順番を間違えるなよ。右、真中、左の順だ。」
「隊長、きました!ジークがきました!」
俺はジークに、バンになっているレイヴンになつくように言った。そうしないと、俺のところにすぐ来たら、ばれるからだ。
「ジークを檻に入れろ!急げ!」
隊長の言葉に、警備兵たちがジークを檻に入れた。その檻は、ここゾイド庫の隅のほうに置かれた。隊長が、
「レイヴン様。では、バンを連れて行きましょう。」
隊長と共に、俺はバン(レイヴン)を拷問室に連れて行った。そして、天井から吊るされている鎖に手錠をつなげた。
「レイヴン様、では始めましょう。」
隊長がスイッチを入れた。どんどん壁が狭まってくる。バン(レイヴン)をサンドイッチみたいにつぶそうとした。
「う、むむむむうう!!!!!!!!・・・・・・・・・ぶはぁっ。」
レイヴンの口から微かに悲鳴が聞こえた。その後に、ガムテープがはがれたような音がした。壁バサミ式の新型拷問が一旦終わった。すると、
「俺がレイヴンだ!そいつはバンがなりすましているだけだ!」
バン(レイヴン)レイヴンが必死にそのことを叫んだ。隊長は、
「見苦しいぞ、バン!次はコウしてやる。」
隊長がバンを吊るしていた鎖と手錠を外した。中央に20センチくらいの穴があいた壁についている、太い鉄パイプみたいな手錠(外れそうにない)にバン(レイヴン)の両手両足を磔にした。隊長が、
「これは私の自慢作でね・・・。あの穴を見ててください。面白いことになりますよ・・・・・。」
隊長は笑いながら言った。穴はレイヴンの腰よりちょっと上ぐらいに来ていた。
「では行きます!」
隊長が面白そうにスイッチを押した。すると、その穴から先のとがった鉄の太い柱が出てきた。先端がバン(レイヴン)に刺さった。
「グぎゃあぁああぁああ!!」
バン(レイヴン)が悲痛な叫びをあげる。隊長はまたスイッチを押した。
「うぎゃあやぎゃやぎゃ!!!!」
とがった鉄の柱がバン(レイヴン)を貫いた。ちょうど腹筋のあたりから、鉄の柱が出てきた。血も吹き出てきた。隊長は、
「いいできでしょう。やつは、後1分ぐらいで死にますから・・・。ジークを実験台にするため、ここに持ってきてください。」
俺は、
「分かった。何かバンの顔についていないか?」
「何かついていますね。機械を止めて、見てきましょう・・・。」
俺はその隙に、ジークの檻に行って、かぎを外した。ジークと共に、そこにあったゾイドに乗って俺は脱出した。

P・S 拷問室での隊長とバン(レイヴン)の様子
バン(レイヴン)の顔のマスクのはがれているところを隊長が引っ張った。
すると、マスクのしたから血を吐いているレイヴンが見えた。
「れ、レイヴン様!?すると、さっきのやつはバンか。医療班!レイヴン様を手当てしろ。」
「もういい!隊長、早く楽にしてくれ・・・・。その銃で・・・。」
「えっ・・・?レイヴン様がお望みなら・・・・・・・仕方ありません!」
隊長はレイヴンを打った。そして、自分も打った。結局、両方死んだ・・・・。
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