ある少年の死

 「いいか、自殺と見せかけて、確実におぼれさせるのだぞ。服はきちんとたたんで岸辺に置く。生き返って泳いで戻られたりしたら、えらいことだ。」
 「へい。だけど社長、あんなかわいい少年を、なぜ殺さなくてはならないんですかい。」
 「おまえに解説する義理はないが、まあ聞かせてやろう。あいつの親父の遺言で、あいつが20歳になったら、会社はあいつのものになる。そんなバカな話があるものか。この会社をずっと育ててきたのは、おれさまなんだぞ。」

 正夫は16歳、ぽっちゃりした感じで、下男がいうとおり、ほんとうにかわいい美少年である。ギャグをかまされ、全裸で後ろ手に縛られて、くぐもった声で何かさけんでいる。人里離れた海岸には、正夫と社長と下男だけ、ほかにだれもいない。
 豪華なモーターボートが3人を沖へ運んでいく。もう岸から3キロぐらいだろうか。正夫は太い横棒に、足を上にして股を開き、Y字型に吊り下げられた。横棒がゆっくり下ろされ、正夫の体が臍のあたりまで水中に沈む。
 正夫は必死になって体を曲げ、顔を水面に出そうとするが、無理な姿勢がそんなに続くものではない。海水を飲んで、
体力が消耗するにつれて、顔は水面から出なくなってしまう。
 「ぶくぶく ・・・ ぶくぶく」
 がまんして息を止めているらしいが、もうどうにもならない。水面から出ている下半身が、苦しそうにもだえている。
 正夫はもがきながら尿をもらしはじめた。放出される液体のまわりに、かすかな虹ができる。なぜか少し勃起しているよ
うだ。
 放尿を終わったころには、16歳の少年は、みごとに勃起した。下半身は、まだもがきつづけている。そして、おお、ついに正夫は射精をはじめた。どっくん、どっくんとリズミカルに精液が放出され、海面に落ちていく。すぼめた唇のように美し い肛門の筋肉が、射精に合わせてびくん、びくんとけいれんする。
 「ふふん、いいきもちのようだな。迷わず成仏しろよ。」
 少しの間、正夫は静かになったようだが、おそらく肺の中に水がはいっていくのだろう、激しく空気を吐き出しはじめた。
 「ごぼごぼごぼごぼ・・・」
 あぶくがいつまでも続き、下半身のもだえはいくらか減ってきた。
 「ぶーっ」
 思いがけず、正夫がおならをした。
 「ぶっ、びっ、ぶりっ、ぶりぶりっ」
 やや軟らかい大便が、肛門から噴き上げられてきた。
 排便を終わったころから、正夫は全身を痙攣させはじめた。痙攣は3分も続いただろうか。やがて体がまったく動かなく なると、さっきまで固く閉じられていた肛門は、ぽっちりと口を開いてしまった。
 正夫の肛門に下男が指を入れてみる。
 「すっかり緩んでいる。完全に死にましたぜ。」
 「よし、後ろ手の縄とギャグをはずせ。それから両足を開放しろ。」
 正夫の美しい体が、静かに海中へ沈んでいった。
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