また、領主様に呼ばれて地下室に行きました。正直な話、二度と足を踏みいれたくないと思っていた場所なんですけど、領主様じきじきにお声を掛けられては断るわけにもいきません。
 今回は、前回とは違って犠牲になった人は私と同じメイドの女の子でした。領主様がメイドに手を出すことはない、と、そう聞いていたんですけど、罰を与える方は別なようです。ということは、私も何か失敗をすれば彼女と同じ運命をたどるということですよね……。一応、今日の女の子は生命だけは助けてもらったみたいですけど、全身に酷い怪我をしていて、半分気が触れたような状態になってしまいました。私たちが食事から戻った時は、全身血まみれで、よだれを流しながら笑っていましたっけ。あんな無残な姿になるなんて……私は、嫌です。
(ミレニアの日記より抜粋)

「あ……あ……」
 木製の台の上に、縄で縛りつけられた少女が一人。両腕は万歳をするかのように頭上へと伸ばした状態で一つにまとめて縛り上げられており、足首は台から生えた短い鎖で繋がれている。そのせいで、両足は膝を立て、M字型に開かれていた。恐怖のためか目を大きく見開き、がくがくと全身を震わせている。口から漏れる声も言葉にならず、掠れていた。
「まったく、とんでもないことをしでかしてくれたな。貴様の撒いた毒のせいで、私の可愛がっていた猫が死んだのだぞ? その責任、どう取るつもりだ?」
 少女の正面に置かれた椅子に腰かけ、領主が嬲るような口調でそう言う。メイド姿の少女の方は、恐怖に震えるばかりで声もでない。
 彼女は、厨房に出る鼠を退治するために殺鼠剤を撒いたのだ。そのかいあってか、厨房に出没する鼠の数は減ったのだが、それによって領主に格好の口実をも与えてしまったのである。もっとも、『領主の飼っていた猫』などというものは存在しないのだが。
「バルボア」
 領主の呼びかけに、のっそりと下男のバルボアが拘束された少女の前に立つ。その手が彼女のメイド服の胸元に掛かり、びりびりびりっと一気に下まで引き裂いた。領主の趣味のため、下着を身に付けていなかった少女の裸身があらわになる。ひいっと、掠れた悲鳴を少女が上げた。引き裂かれた服の残骸と、太股までを覆った黒いストッキングだけを身にまとった姿は、下手をすれば全裸よりも扇情的かもしれない。僅かに目を細めて小さく領主が頷く。
「お、お許しを……。ど、どうか、御慈悲を……」
「ミレニア。手順は、分かっているな?」
 掠れ、震える少女の哀願の声を無視して、領主が傍らに立つもう一人のメイド姿の少女に声を掛ける。手に小振りの刷毛の突っ込まれた小さな壷を手に、ミレニアが小さく頷いた。
「では、始めるとするか」
「……はい」
 無表情に、ミレニアが拘束された少女の前に進み出る。壷の中に満たされたどろりとした液体をたっぷりと含んだ刷毛を右手で掴み、あらわになった少女の股間へと伸ばすミレニア。うっすらとまだ完全には生えそろっていない恥毛と、その下の割れ目へ刷毛でどろりとした液体を塗りつける。
「ひゃっ、うっ」
 びくんっと、少女が身体を震わせた。股間に感じる、どろどろとした冷たい感触。まだ自分でも数度しか触れたことのない秘所を刷毛でくすぐられ、くすぐったさとも快感とも付かない感覚が背筋を走り上がる。
「ふっ、あっ」
 ゆっくり、丹念にミレニアが少女の秘所に刷毛を振るう。じんわりと熱さが下半身に広がっていくのを、少女は混乱しながら感じていた。
「あ、んっ、な、何、これ……? 何、で……ふあぁっ」
「くっくっく、流石に若いだけのことはあるな。効き目が早いではないか」
 これからどんなひどいお仕置きをされるのかと、緊張に身体をこわばらせていた少女が、自分でも理解できない熱いうずきに我知らず腰をくねらせる。壷の中に満たされていたのは、蜂蜜と催淫効果を持つ薬草を混ぜあわせたものだったのだ。肌の上に汗が浮かび、ほころんだ唇から熱い吐息が漏れる。
「う、んんっ。あっ、ふ、あっ。あ、熱い、の。あぁんっ、あっ、ああっ」
 秘所の割れ目と、その上にちょこんと位置する肉芽。丹念にそれらを刷毛で刺激され、少女が甘い泣き声を上げる。緊張と恐怖にぴったりと閉じあわさっていた花びらが緩やかに開き、その中にまで刷毛が潜り込む。秘肉のひだにまで催淫効果のある蜜を塗り込まれ、拘束された身体を少女がくねらせた。秘所の奥から、愛液があふれてくる。
「やれやれ、これから罰を受けるというのに、そんなに腰を振って喜ぶとは。随分とはしたない娘だな」
「いっ、いやっ、恥ずかしい……見ないでっ。あっ、あぁんっ、あっ、ふわあぁっ」
 領主が言葉で少女を嬲り、羞恥と興奮に頬を真っ赤に染めて少女が身悶える。一方、二人のやり取りにはまったくかまわずに、ミレニアは無表情に刷毛を動かしつづけていた。ぴちゃっ、ぴちゃっと、湿った音が響き、少女が切なげな泣き声を上げる。
「私の猫を殺しただけではなく、罰を受けるのに腰を振って喜ぶとはとんでもない奴だ。まったく、呆れたものだな」
 椅子から立ち上がった領主が、あざけるようにそう言う。少女の方は、生まれて初めて味わう感覚に翻弄され、喘ぐばかりで答えられない。軽く肩をすくめると、領主はバルボアから金属製の篭を受け取った。中では、数匹の鼠がちょろちょろと走りまわっている。
「この鼠たちは、お前によって食べ物を奪われ、飢えている。可哀想だろう? せめてもの償いだ、お前のその卑しい身体で、こやつらを満腹させてやるがいい」
「ふあぁっ、え、な、何……? え、う、嘘……」
 ミレニアの刷毛が秘所から離れ、僅かに理性の戻った少女の頭に領主の言葉がしみ込む。だが、その言葉の意味を理解するには少し時間がかかった。信じたくない、という、思いが有ったせいかもしれない。少女が動揺している間に、ミレニアが篭の中から一匹の鼠を取り出し、たっぷりと濡れた少女の股の間へと置いた。
 蜂蜜の匂いと、混ぜ合わされた薬草--中には、鼠が好む匂いのものもあったのだ--に誘われ、鼠がチョロチョロっと少女の股間へと走り寄る。まずは、小さな舌を伸ばし、ぺろりと少女の秘所に塗られた蜂蜜を舐め取る。刷毛での刺激とは比べものにならないほど弱いが、まったく別の刺激に思わずふわっと少女が声を上げ、腰を動かした。その動きに合わせるようにチョロチョロと鼠が走りまわり、舌を伸ばす。
「くっくっく、天国と地獄、その両方を一遍に味わうがいい」
 領主が、残酷な笑みを浮かべてそう告げる。その言葉が合図になったかのように、それまでぺろぺろと蜜を舐めていた鼠が不意に身体を伸び上がらせると少女の股間に飛びついた。刷毛によって散々刺激され、ぷっくりと膨れ上がった肉芽へと鋭い前歯を振るう。
「ひぎゃあああああああああっ!」
 まさに、天国から地獄。敏感な肉芽を噛り取られ、快感に喘いでいた少女の口から苦痛の絶叫があふれる。肉芽を噛り取った鼠が、更にぱっくりと開いた秘所の花びらへと噛みついた。柔肉が食い千切られ、激痛が走りぬける。頭を左右に激しく振って絶叫を上げる少女の姿に、くくくっと楽しげな笑いを領主があげた。
「ミレニア。せっかくだから、その娘の穴、埋めてやるがいい」
「……私が、ですか? ……分かり、ました」
 領主の言葉に、僅かに間を置いてミレニアが頷く。ガリッ、ガリッと、少女の花びらを噛りとっている鼠を右手で捕まえ、左手で血まみれになった少女の秘所を押し開く。潤みきった秘所の中に、無造作に鼠の頭が押し込まれた。
「はっ、ひっ、やっ、動いてるっ、中で、動いてるっ。ああっ、いやっ、駄目ぇっ。駄目っ、出てって、動いちゃっ、駄目っ、おかしくっ、なるっ」
 激痛に叫んでいた少女の口から、少し雰囲気の違う叫びが上がる。本人の意思とは関係なく、薬によって強制的に燃え上がった秘所はびしょびしょに濡れ、ほとんど何の抵抗もなく鼠を飲み込んでいく。鼠の毛皮が敏感な肉ひだをこすり、薬によってただでさえ感じやすくなっている少女に強烈な快感を与えていた。自分の体内で鼠がうごめいているというおぞましさや恐怖も有るが、それがかえって快感を高めている。
「ふわっ、ふわわっ、だ、めぇっ。変に、変に、なっちゃううぅっ」
 まだ男を受け入れたことのない少女の秘所へと、鼠が潜り込んでいく。一回、ずきんと下腹部に痛みが走ったが、薬の効果かごく弱く、すぐに消えてしまった。後は、鼠が動くたびに快感の波が全身を走りぬけ、惑乱気味の悲鳴を上げながら少女が次第に昇りつめていく。
 あと少しで絶頂に達するか、と、そう見えたその時。
「ひぎゃああああああぁっ!」
 少女がびくんと身体を反りかえらせ、苦痛の絶叫を上げた。昇りつめようと収縮をくりかえす秘肉に締め上げられ、あふれてくる愛液に溺れそうになった鼠がパニックを起こし、逃れようと肉ひだに噛みついたのだ。もう少しで絶頂に達しようとしていた瞬間だけに、少女の全神経は秘所へと集中していた。そこで急に敏感な肉ひだを食い千切られたのだからたまらない。ひぎっ、ひぎっと掠れ濁った悲鳴を上げながら身体を痙攣させ、弓なりにのけぞった股間から小水をほとばしらせる。
「おやおや、残念だったな。楽しい時間は、もう終わりのようだ」
「あぎぎぎぎっ、ぎゃぎゃっ。ヒギィッ! ヒギッ、ダメッ、食べ、ちゃ……ヒギャアアアアァッ!」
 パニックを起こした鼠が、手当たり次第に周囲の肉ひだを噛り取り、手足をばたつかせる。ついさっきまでは鼠の動きに快感を感じていたというのに、今や鼠が動くたびに激痛が弾ける。大きく目を見開き、よだれを飛び散らせながら絶叫を上げる少女。その姿を眺めながら、くくくっと領主が楽しげに笑った。
「飢えた鼠は、そやつだけではないぞ。ミレニア、他の場所にも、蜜を塗ってやれ」
「……はい」
 領主の言葉に無表情に頷き、ミレニアがたっぷりと蜜を含ませた刷毛を少女の乳房へと振るう。秘所への刺激でピンと立っていた乳首を刷毛でこすられ、電流のように快感が背筋を走りぬけた。股間で弾ける激痛にすぐにその快感はかき消されてしまったが、思わずふわっと小さく声を上げる少女。何回か刷毛を動かし、乳首とその周辺へと蜜をまんべんなく塗り込んでいくミレニア。
 二匹目の鼠が、少女の脇の下の辺りに放たれる。ちょろちょろっと僅かに走りまわっていた鼠だが、すぐに漂ってくる蜜の匂いを嗅ぎつけて少女の身体を駆け上がった。蜜を塗られた乳首へと駆けより、その鋭い歯でぷくっと膨らんだ突起に噛りつく。
「ヒギイィッ! だ、駄目ぇっ」
 乳首を噛られた少女が悲痛な叫びを上げるが、もちろん鼠には通用しない。先端の突起を噛り取られ、血を流している膨らみへと更に噛りつく。
「ひっ、ヒイイィッ。食べないでっ、駄目っ、食べちゃ、駄目ぇっ!」
 秘所と胸と、二ヶ所から伝わってくる激痛に少女が泣きわめく。ぼろぼろと涙をこぼし、激しく身体を揺するが、秘所の中に胴体を潜り込ませている鼠はもちろん、乳房に取りついた鼠も振り払うことは出来ない。苦痛にもがく少女のまだ無事な方の乳首とその周辺に、刷毛がのびて蜜を塗りつける(挿絵)。
 三匹目の鼠が放たれ、今蜜を塗られたばかりの乳首へと襲いかかる。甲高い絶叫を上げ、身体をのけぞらせる少女。くっくっくっと楽しげに笑いながら、領主が次に蜜を塗る場所を指示し、ミレニアがそれに従って刷毛を振るう。両方の耳たぶにたっぷりと蜜を塗りつけ、更にちょんっと鼻の頭をつつくようにして蜜を付着させる。バルボアがもう一つ篭を持ってきて、少女の頭の上で中に入っていた三匹の鼠を一遍に放した。
「ヒギャアァッ、ギッ、ヒッ、ヒャメェッ。フグウウゥッ!」
 左右から、耳を噛られる。顔の上へと駆け上がった鼠が、鼻の頭に噛みつく。一つ一つの傷はごく小さく、出血も少ない。致命傷には程遠い傷ばかりだが、痛みはかなりのものだ。
 更に、バルボアが残った服の残骸やストッキングを引き裂き、露出させた太股やふくらはぎ、腕などにもミレニアが刷毛で蜜を塗りつけていく。刷毛から垂れた蜜が、ぽたぽたと別の場所にも落ちているが、問題はない。単に、鼠が狙う場所が増えるだけの話だ。
 壁際に置かれていた鼠入りの篭を、二つバルボアが運んできて中の鼠を台の上に放つ。チョロチョロと鼠たちが苦痛にのたうつ少女の身体の周囲や上を走りまわり、蜜を塗られた部分の肉に噛みつく。大きく目を見開き、よだれを飛び散らせながら少女が絶叫を上げつづける。
「さて、鼠たちの食事の邪魔をするのも無粋というもの。こやつらの食事が済むまで、我々も別室で食事を取るとしようか」
「ヒヤッ、許してっ、お願いっ。死んじゃうぅっ。ヒギッ、ギイィィッ!」
 十匹を越える鼠たちが、好き勝手に少女の身体の上を走りまわり、肉を噛る。その苦痛に半狂乱になって叫びつづけていた少女が、領主の言葉に許しを乞うた。だが、もちろん領主がそんな哀願の声に耳を貸すはずがない。
「ヤメッ、ギャッ、ダメェッ。イヤアアアアアァァッ!」
 扉が開き、閉まる音を聞きながら、少女が絶叫を上げる。領主たちが立ち去り、まっくらになった部屋の中に、鼠たちの鳴き声と、少女の悲痛な叫びだけがいつまでも響いていた……。
TOPへ
この作品の感想は?: