File:1 惣流=アスカ=ラングレー
「もうっ、いったいなんなのよっ!? 何でアタシがこんな目にあわなきゃいけないわけ!?」
 手錠で両手首を拘束された惣流=アスカ=ラングレーが憤然としてそう叫ぶ。彼女が居るのは、NERV本部のかなり深い場所に位置する、実験室のような雰囲気の小部屋だ。部屋の中央に床と天井をつなぐように細いポールが立っており、途中から十字架のように横棒が生えている。彼女はそこに万歳をするような形で拘束されていた。身体と両手で丁度Yの字を作るような感じだ。手首をくわえこんだ金属製の拘束具とポールは短い鎖で繋がれていて、ほんの僅かだが腕を動かす余裕がある。
「ここ数日のシュミレーション、あなたの成績は思わしくないわね?」
 レポート用紙の束を手に、アスカの正面のデスクに座った赤木リツコがそう言う。彼女の言うシュミレーションとは、現在NERVが保有する三機のエヴァによる連係テストのことだ。その中で、アスカは連係を無視したスタンドプレーを繰り返し、何度も撃墜されていた。
「何よっ、アタシのレベルに他の二人が付いてこれないのが悪いんじゃないっ。それとも何? このアタシに、あの二人に合わせてレベルを落とせって言うの!?」
「この前のシンクロ率の検査で、シンジ君に抜かれたのを忘れたの? 客観的に見れば、あなたよりもシンジ君の方が優秀なパイロットなのよ、今じゃ」
「あんなの……! たまたま、アタシの調子が悪かっただけよっ。アタシが馬鹿シンジに劣ってるなんて、そんなはずないでしょう!?」
 淡々としたリツコの指摘に、身を乗り出しながらアスカが抗議の声を上げる。がちゃがちゃと、彼女の両手首を捕らえる鎖が耳障りな音を立てた。軽く溜め息をついて、リツコは立ちあがった。
「いずれにせよ、最近のあなたの行動は命令違反といわれてもしかたないわね。しかるべき処分を取らせてもらうわよ」
「ど、どうするつもりよ……? アタシを弐号機から降ろすって言うの!? あれはアタシの、アタシだけのエヴァよ。他の人間になんて、扱えっこないわ!」
「そうね。残念だけど、まだエヴァの量産は済んでいないわ。わがままでどうしようもないパイロットでも、使うしかないのが現状ね。だから、あなたにはお仕置きをして、素直になってもらうつもりなの」
 身も蓋もない台詞をあっさり言うと、リツコはアスカの側へと歩み寄った。僅かに怯えたように身をよじるアスカの服の胸元へと手をかけ、ボタンを外していく。
「ちょ、ちょっと、何すんのよ!?」
「言ったでしょう? あなたが素直になるように、『お仕置き』するって」
 薄く笑みを浮かべると、リツコがアスカの服の前のボタンをすべて外し、白い肌を露出させる。スカートのホックが外され、するりと床の上にスカートが落ちた。
「あら、意外と可愛い下着じゃない」
「なっ……ちょっと、やめてよっ。何するつもりなの!?」
 からかうようなリツコの言葉に、アスカが頬を赤く染める。くすりと笑ってリツコはアスカのブラを外し、パンティをずり降ろす。足を抱え込むようにして持ち上げさせ、靴と靴下を脱がせて素足をあらわにさせる。裸に剥かれていくアスカが羞恥に頬を赤く染め、身をよじった。男の目がないのが救いだが、これから何をされるかという恐怖でカチカチと奥歯が鳴っている。
 リツコが、白衣のポケットから小さなチューブを取り出した。手袋をはめ、その上にチューブの中身を絞り出すとあらわになったアスカの肌へと塗り込んでいく。まだ幼い両胸、脇の下、うっすらと毛の生えた股間、そして、太股と足の裏。ひんやりとした感触の薬が塗り込まれていく。
「な、何よ、何をするつもり……くぅっ!?」
 薬の塗られた部位に、ぴりぴりとした感触が走り始めた。痛みではない。むしろ、むずむずするような痒みだ。唇を笑みの形に歪めたまま、リツコがデスクの方へと戻っていく。
「な、何、これ……くうぅっ、か、痒い、痒いよぉっ……」
 くねくねと身体をよじり、アスカが泣き声を上げる。薬が塗られた部分から、激しい痒みが沸きあがる。ポールの太さはごく細く、身体をよじっても痒い部分を掻くことは出来ない。唯一、足の裏だけは床にこすりつけることが出来るが、こすればこするほど痒みは増していた。
「い、やぁっ、痒い、痒いの……やだっ、痒いぃ」
 全身にびっしょりと汗が浮かぶ。気のせいかもしれないが、薬と汗がふれあうとますます痒みが増すようだ。予想もしなかった責めに、涙を流しながらアスカが身悶える。
「ああっ、嫌ぁっ、な、何よ、これ……痒い、だけなのに……あぁんっ」
 足の裏の痒みを僅かでも紛らわそうというのか、どたばたと足を踏みならし、髪を振り乱してアスカが身悶える。むずむずとした痒みが全身に広がる。ひぃっ、ひぃっと喉を鳴らし、がちゃがちゃと鎖を鳴らしてもがき苦しむ。
「いやっ、お願いっ、痒い、痒いのぉっ。掻いて、お願いっ、掻いてよぉっ」
 身をよじり、アスカが哀願の声を上げる。くすりと笑うとリツコはデスクの上に何かの書類を広げて目を落とした。
「さっきまでの威勢はどうしたの? あなたらしくないじゃない、アスカ」
「あ、んっ、ごめん、謝るっ、謝るからぁっ。ああん、痒いぃっ」
 上着は前のボタンを外されただけで袖は通ったまま、スカートは脱がされているがパンティは太股の辺りにずり下げられただけ、という、ある意味では全裸以上に扇情的な格好でアスカがくねくねと腰を振り、泣き声を上げる。じわじわと肌に薬がしみ込み、最初は肌の表面だけだった激しい痒みが肉の内側にまで侵食してきていた。
「お願いっ、痒くて気が狂いそうなのっ。あぁん、あっ、あっ、痒いのぉっ」
 普段の強気な態度はどこへやら、身をもみ、せつなげに訴えるアスカ。全身に浮かんだ汗が電灯の明かりを反射して光り、身悶えするたびに飛び散る。軽く肩をすくめるとリツコが立ちあがった。
「しかたないわね。どこを掻いて欲しいのかしら?」
 手袋を再びはめ、チューブの中身を絞り出しながら意地の悪い笑みをリツコが浮かべる。ひっと僅かにアスカが息を飲んだ。
「ちょ、ちょっと……なんで、その薬を……」
「質問が聞こえなかったかしら? どこを掻いて欲しいのかって聞いてるのよ、私は。それとも、掻いて欲しくないの? だったら別に無理にとは言わないけど」
 意地の悪い笑みを浮かべたまま、たっぷりと薬の付いた手を広げてみせるリツコ。その薬の効果は、今身をもって味わっている最中だ。アスカがぎりっと奥歯を噛み締める。
「う、くぅ……あ、あぁ……か、痒、い……」
「だから、痒いなら掻いてあげるわよ。どこでもいいわ、好きな場所を言いなさい」
「で、でも……その薬……あぁん、あっ、か、痒い。痒いよぉ」
 くねくねと力なく首を左右に振り、アスカがすすり泣く。必死に痒みに耐えているのか、全身がぶるぶると震えた。唇を噛み締め、懸命に声を殺していたアスカがついに耐えきれなくなったように顔を上げて叫ぶ。
「ああっ、だめっ、我慢できないっ。お願い、掻いてぇっ。どこでもいい、どこでもいいからっ。は、早く、お願いっ、痒いとこ全部、掻きむしってよぉっ」
 アスカの、敗北宣言ともいえる絶叫に、リツコが笑いを浮かべてアスカの側へと歩み寄る。薬のたっぷりと付いた手を、嬲るようにアスカの首筋から胸、脇の下、更に腹から股間、太股へと這わせていく。時折指でかりかりと肌を引っ掻くような動きを見せてはいるが、その動作はどう見ても手のひらを使って薬を全身に塗り込んでいるようにしか見えない。
「あぁん、もっと、強く……血が出るくらい掻きむしってよぉっ。だめなの、そんなんじゃ、痒みは……嫌ぁっ」
 リツコの指先が、アスカの胸の先端で震える二つのつぼみをつまんだ。手のひらに残った薬を指先ですくい、指の腹で乳首を転がすようにして薬を敏感な突起に擦り込んでいく。
 更に、リツコの手がアスカの股間に伸びた。まだ硬く閉ざされた割れ目の中、更にはその上の敏感な肉芽にまで薬が塗り込まれていく。
「やだっ、何これっ、痒い……ああっ、痒いっ、痒い痒い痒いっ。全身が……嫌アァッ。あっ、あぁっ、あああっ。痒いの、痒い、痒くて……イッヤアァァッ」
 大きく目を見開き、半狂乱になってアスカが身体をよじった。くすくすと笑いながら、リツコが手袋を外し、黒い布でアスカに目隠しをする。
「視覚を封じられると、聴覚や触覚が研ぎ澄まされるって言うわ。ほら、全身の痒みがさっきよりもはっきりと分かるようになったでしょう?」
「ああっ、ひどいっ、酷すぎるわっ。嫌ぁっ、痒いの、痒すぎるのっ。頭が変になっちゃうぅっ」
 肌からしみ込んだ薬が、身体の内側から猛烈な痒みを放っている。特に強烈なのは言うまでもなく両乳首と股間だが、それ以外の場所からも寄せては返す波のように強くなったり弱くなったりを繰り返しながら痒みが襲いかかり、彼女の精神を掻き乱している。
「それじゃ、私は仕事があるから。ごゆっくり」
 意地の悪い笑みと共にそう言うと、リツコは部屋の扉を開いた。彼女の台詞とぷしゅーという扉の開く音、更にカツカツという靴音にアスカが悲鳴を上げる。
「嫌ぁっ、行かないでっ。お願いっ、一人にしないでっ。許してっ、ねぇ、助けてよぉ……!」
 一人取り残される恐怖に、アスカが泣きながら叫び声を上げる。一人で取り残されてしまえば、どんなに哀願しようと解放される可能性はゼロだ。しかも、そのまま放置されれば最悪飢えと渇きによる死すら考えられる。
 実際には、リツコは部屋から出てはいなかった。彼女がしたのは、ただ扉を開け、意識して大きな靴音を立てて足踏みしてから徐々に忍び足になってデスクに戻ったというだけのことだ。それでも、目隠しによって視覚を奪われ、しかも全身を苛む激烈な痒みによって集中力を失ったアスカをだますには十分だった。扉の閉まる音が響き、靴音が消える。しんとした静寂が訪れ、本当に一人放置されたと思い込んだアスカが大声で泣きわめく。
「酷い……酷いわ。何でアタシがこんな目に……くぅっ、あ、か、痒い……」
 すすり泣きながら、アスカが身体をくねらせる。痒さを訴え、助けを乞おうにも相手が居ない。暗闇の中、アスカは僅かでも気を紛らわそうというかのように身体をくねらせつづけている。気が狂いそうなほどの痒みが全身を包み込み、恐怖と絶望が彼女の精神を侵食していく。
 リツコは、デスクの上に両肘をつき、手を組みあわせるとその上に顎を載せてアスカが身体をくねらせる姿を『観察』していた。時折、デスクの上の時計へとちらりと視線を走らせる。時間の経過を確認しているのだろう。
 五分……十分。一人取り残されたと思い込み、助けを乞うことを止めたアスカの口から、「誰かいないの!?」とか「お願いっ、助けてっ」などといった哀願の声が漏れ始めた。時間の経過と共に際限もなく増加を続ける痒みに、沈黙を保てなくなったらしい。目隠しの下から頬に光る涙の筋が伝う。
 リツコが沈黙したまま見守る中、アスカが泣きわめき、罵りの声をあげ、身体をくねらせる。痒みから僅かにでも意識を逸らすために彼女が出来るのは、意味もなく身体を動かすこととしゃべりつづけることだけだ。自分をこんな目に合わせたリツコのことを呪い、シンジやレイたちのことを罵る。
 十五分……二十分。わめき疲れたのか、アスカが沈黙することが多くなり始めた。くねくねと身体をよじり、顔をのけぞらせて呻く。荒い息を吐いて胸を上下させ、腹筋を波打たせる。全身を包む痒みは衰えることもなく彼女の精神を責め苛みつづけている。
 二十五分……三十分。何かを言おうとして口を開きかけ、慌てて奥歯を噛み締めるという行動をアスカが繰り返す。くぅっ、とか、あぁっ、とかいう、呻くような声をもらしながらアスカは身悶えた。心の中で、彼女のプライドに音を立ててヒビが入り始めていた。
 そして、三十七分。
「嫌ぁっ、嫌っ、嫌よぉっ。助けてっ、誰でもいいからっ、アタシを助けてぇっ。痒いの、痒くてたまらないのっ。助けてくれたら、何でも言うこと聞くからっ。ううん、アタシのこと、好きにしてもいいからっ。何でもする、何されてもかまわないっ。だからお願いっ、誰か、誰か助けてよぉっ」
 激しく頭を振りながら、アスカがそう叫ぶ。気の強い彼女にとって、隷属を誓うその台詞は完全敗北宣言に他ならない。時間と共に激しさを増す痒みは、彼女からプライドを保つだけの余裕を完全に奪い去っていた。室内には誰も居ないと思い込みつつも、そう叫ばざるを得ないほど彼女は追いつめられていたのである。
 アスカの叫びに、リツコが唇を歪めて笑う。彼女が手の中でもてあそんでいたリモコンを操作すると、微かな音を立てて扉が開いた。はっとアスカがそちらへと顔を向ける。
「誰!? ううん、誰でもいいわっ。お願いっ、アタシを助けてっ。痒いの……痒くて気が狂いそうなのっ。何でも言うこと聞くからっ。お願いっ、助けてっ」
「随分参ってるみたいね」
 苦笑混じりのからかうようなリツコの言葉に、アスカが一瞬息を飲んだ。だが、それも一瞬のこと。扉の方へと身を乗り出しつつ、懸命に叫ぶ。
「ごめんなさいっ、謝るからっ。命令もちゃんと聞くからっ。だから、お願い。痒いの、痒くてたまらないの。助けてよぉ……!」
「いいわよ。左手の手錠を外してあげるから、好きなだけ痒いところを掻きむしるといいわ」
 リツコがそう言いながら、リモコンのスイッチを押す。ピッと小さな音を立ててロックが解除され、アスカの左手が久しぶりに解放された。
 右手も、と、そう訴える余裕もなく、もちろん目隠しを外すこともせず、自由を得た左手で胸や腹、脇の下、股間や太股といった辺りを次々に掻きむしっていく。痒くて痒くてたまらなかった部分を掻きむしる快感に、アスカがうっとりとしたような表情を浮かべた。
 だが、その表情も長くは続かなかった。うっとりとしたような表情がこわばり、怪訝そうな表情を経て苦痛に歪む。確かに、左手で掻きむしった部分からは一瞬痒みが消える。しかし、別の痒い部分を掻こうと手を動かすと、ものの数秒で痒みが復活するのだ。しかも、掻く前よりも強烈になって。
「嫌ぁっ、何これっ、痒いっ、痒いぃっ。掻いてるのに……あぁっ、痒いのっ。お願いっ、片手じゃ足りないっ。右手、右手も外してぇっ。ああっ、痒いっ、痒い痒い痒いっ。全身、痒くて……くうぅっ」
 がりがりと、爪を立てて全身をかきむしりながらアスカが悲痛な叫びを上げる。左手が解放され、身体を半回転させることが出来るようになったのを利用してポールの方に身体の前面を向け、胸や股間をポールにこすりつける。はたから見ればとんでもなく淫らな行動だが、やっている本人にはその意識はない。少しでも痒みを減らそうと、必死になって身体をくねらせ、腰を振り、ポールに身体をこすりつける。
「あぁっ、だめっ、何でっ!? 掻いてるのにますます痒くなるの……痒くて……痒い……ああぁっ、痒いっ、痒いのよぉっ……!」
 喉の渇きを癒すのに、海水を飲むようなものだ。そんなことをすればいったんは渇きが収まっても、すぐに前にも増した渇きに襲われる。今のアスカが丁度その状態で、肉の深い部分にまでしみ込んだ薬液による痒みは、ちょっと引っ掻いたぐらいでは消えはしない。表面を掻いたことでいったんは収まったかのように思えるが、すぐにまた復活するのだ。
 どのくらい、そんなイタチごっこが続いただろうか? 既にアスカの頭の中からは時間の感覚が失われている。あるのはただ、全身を支配する激烈な痒みだけだ。口の端からよだれをたらし、狂ったようにポールに身体を擦りつけ左手で全身をかきむしる。
 全身のうち、特に痒みの強いのは胸と股間だ。自然とその二箇所に手が伸びる回数が多くなる。胸をもみしだき、股間の割れ目に指を這わせる。乳首やクリトリスをつまみ上げ、びくびくっと身体を痙攣させる。ひたすらに快楽を貪っているようにも見える姿だが、彼女が感じているのはただただ痒みだけで、快感など微塵もない。
 淫らな、けれど本人にとっては悲痛極まりない踊りをアスカが続ける。壁に背中を預け、腕を組んでその様子を観察していたリツコがゆっくりとアスカへと歩み寄っていった。
「その辺にしときなさい。血まみれになるわよ?」
 そう言いながら、リツコが全身を半狂乱になってかきむしっているアスカの腕を掴み、ぐいっとポールの拘束具の所まで手首を移動させる。あっとアスカが悲鳴を上げる間もなく、再び左手が固定された。(挿絵)
「ああっ、嫌っ、酷いっ、なにすんのよ!?」
「なにすんのよ?」
 とがめるような口調でリツコがそう問い返す。僅かに息をのみ、さっきまでよりもいっそう激しくなった痒みに身悶えながらアスカが頭を振った。
「ご、ごめんなさいっ。生意気なこと、言いませんからっ。だからっ、お願いっ。助けてっ、痒いの、痒くてたまらないの。おかしくなっちゃう……」
「薬の効き目は、あと一時間もすれば消えるわ。それまでゆっくりと今までの自分の行動を反省することね。薬を最初に塗ってからまだ三十分たっていないから、時間はたっぷりあるわよ」
 永遠とも思えた今までの時間。その、二倍以上の時間苦しみ続けろ、というリツコの言葉に、アスカが悲痛な絶叫を上げた。
「イッヤアアアアアァッ。イヤッ、イヤイヤイヤッ。死んじゃうっ、死んじゃうわよっ。
 ああっ、痒くてたまらない……気が変になっちゃうっ。お、お願いっ。ううん、お願いしますっ。許してっ、許してくださいっ。あぁ、痒いっ。
 行かないでっ。あぁっ、くうぅっ。イッヤアアアアッ」
 身悶え、絶叫を続けるアスカに背を向けると、リツコは今度は本当に部屋から出ていった。しゅっと、微かな音を立てて扉が閉まる。その最後の瞬間、長く尾を引くアスカの絶叫が響いた。
「イヤアアアアアアアアッ」
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