清川芹香


 都内の一等地に、刑務所を連想させるような高い白壁に囲まれた学校が有る。外部との連絡口は正門のみで、しかもわずかな例外を除いて常に大きな鉄扉が堅く閉ざされており、内部をうかがうことは出来ない。ただ、鉄扉の横にある校名を示すプレートに書かれた、聖ルシフェル学院という文字が見れるだけだ。
 聖ルシフェル学院。財界の黒幕、と、そう呼ばれる新城あらき総一郎によって設立された全寮制の私立校である。卒業生は例外なく新城グループの系列企業--各分野に渡るが、その全てが一流企業として知られている--に就職できることもあり、設立後二十年に満たない若い学校でありながら既に超名門校として知られている。当然、入学を希望するものも多いのだが、設立者であり理事長でもある新城翁の意向のために高校と大学が完全に一体化しており、大学部の中途入学は募集していない。また、同じく翁の意向により高等部の入学試験は面接重視で、全国から越境しての入学者が学生の大半を占めている。ただ、長期休暇中も多数の行事が予定されているために帰省は基本的に行われず、家族との電話・手紙等での連絡も在学中は行ってはいけない規則になっている。外部から隔離された環境で、学業に専念すべし、という理念を掲げているせいだ。こういうと一見、学業のみを重視しているような印象のある学校だが、実際には部活動も盛んで、各分野で全国レベルに名を馳せている。文武両道の超名門校、それが外部から見たこの学院の評価だ。
 しかし、実際には都心部の広大な面積を占める学院の敷地は高い白い壁に囲まれ、外部から中の様子をうかがうことは出来ない。また、寮を含む全ての施設はその壁の中に有り、学生が壁の外に出ることも滅多にない。その為、壁の中で何が行われているのかは、闇に包まれている……。

「んっ、くっ、うぅんっ。ふ、ぁ、ふあぁっ。んくっ……」
 小さく噛み殺された喘ぎ声が、がらんとした室内に響く。腰の後ろに渡されたモップの柄に、左右の足の太股とふくらはぎの辺りを縛りつけられ、M字型に足を固定された少女が漏らす声だ。衣服は一切身に付けておらず、その代わりというわけでもないのであろうが、真紅の細いロープが彼女の身体に巻きついていた。もっとも、まだ幼い未発達な乳房を絞り出すように上下に縄が走っているぐらいで、拘束といった感じではない。両手は完全に自由であり、M字に開かれた足の付け根、薄い陰毛に飾られた秘所を拙い手付きでいじっている。
「ちっとも上達しないわねぇ。ほら、もっといやらしい音を立てるのよ。恥ずかしがってもしょうがないでしょう?」
 床に直接腰を降ろし、自慰を続ける全裸の少女へと、彼女の正面に立つ制服姿の少女が侮蔑のこもった言葉を投げかけた。眼鏡の奥の瞳を涙で潤ませ、縛られた少女--如月葉月が弱々しく首を振る。
「お願いです……もう、許してください。恥ずかしい……」
「手を止めるんじゃないの!」
 怒声と共に、ひゅっと風を切って振り降ろされた乗馬鞭がぱしぃんと乾いた音を立てて葉月の太股を打ち据えた。真っ赤な鞭の跡を太股の内側に刻み込まれ、ひいっと葉月が悲鳴を上げて背を反らせる。乗馬鞭の先端を涙を流す葉月の顎に当てると、少女--木崎優子は意地の悪い笑みを浮かべた。今の姿は以前に見せた女王様ルックではなく、だらしなく着崩した制服姿だが、それで中身が変わるわけでもない。
「ほら、続けなさい。それとも、まだ鞭のお仕置きが欲しいの?」
「い、いや……許して……」
「そっ。なら、続けなさいよ」
 葉月の顎に当てていた鞭の先端をつうっと絞り出された二つの膨らみの辺りまで下げ、優子が笑う。唇を噛み締め、うつむいてすすり泣きを漏らしながら葉月は再び手を動かし始めた。拙いながらも秘所に刺激を受け、本人の意思とは関係なくあふれてきた愛液によってくちゅっ、くちゅっと湿った音が小さく響く。くすくすと笑いながら優子は絞り出された葉月の右の乳房の頂点、ぷっくりと硬さを増した乳首を鞭の先端で軽く弾いた。ひゃうっと小さく声を上げて身体を震わせる葉月の反応を楽しむように、左右の乳首を鞭の先端で軽く弾いたりつついたりということを繰り返す。
「うふふっ、どんどんあふれてくるじゃない。口ではいろいろ言ってるけど、本当はこうやっていじめられるの、好きなんじゃない? マゾの素質、あるわよ、きっと」
 葉月の耳元に唇を近づけ、優子がそうささやく。獲物を嬲る猫のような笑顔を浮かべていた。優子の言葉に、かぁっと耳まで真っ赤にして葉月が首を左右に振った。
「う、嘘です。私は、そんなんじゃ……ひゃうんっ」
「手を止めないの。何回おんなじこと、言わせるつもり?」
 思わず秘所をいじる手を止めて抗弁した葉月の乳首をちょっと強めに鞭で弾き、悲鳴を上げさせると優子がくすくす笑いながらそう問いかける。うっ、ううっとすすり泣きを漏らしながら葉月はぎこちなく指を動かし、自分の花びらを刺激した。そこからあふれるくちゅっくちゅっという音が、たまらなく淫らに聞こえ、死んでしまいたいほど恥ずかしい。
「うっ、ううぅっ。どうして、私がこんな酷い目に合わなくちゃいけないの……?」
 ぽろり、と、唇からこぼれた葉月の呟きに、ぴくんと優子が眉を上げた。
「酷い目、って……随分な言われようね。せっかく私が優しくしてあげてるのに」
「本当に優しい人なら、こんなことしません!」
 優子の言葉に思わず大きな声を上げる葉月。ふぅん、と、小さく呟くと、優子は力いっぱい鞭を振るった。二つの乳首を横に振るわれた鞭の先端が容赦なく打ち抜く。乳首が千切れたのではないかと思うほどの激痛が走り抜け、甲高い悲鳴を上げて葉月が背を反らせた。反射的に秘所をいじっていた両手を上げ、胸を抱き抱えるようにして鞭の第二撃から身を守ろうとする。しかしそれは、胸以上に敏感な場所を無防備にさらす結果になった。
「きひいいいいいいいぃっっ!!」
 充血した肉芽と、ぱっくりと口を開けた秘所の割れ目とを縦に振るわれた鞭が打ち据えた。激痛に絶叫を上げ、大きく背を反らせた葉月がバランスを崩して後ろに倒れ込む。右手を伸ばし、秘所を掌で覆うが、かばった右手ごと優子は葉月の秘所を足で踏みにじった。ピンヒールではなく、普通の上履きだったのが唯一の救いだろうか。だからといって、実際に踏みにじられている葉月が慰められるわけでもないが。
「あぐっ、痛っ、痛いっ。お願いっ、やめてぇっ」
「あなた、まだ自分がどんなに恵まれてるのか分かっていないみたいね。私は優しい人間だから、あなたには本格的な罰を与えていないのよ? 他の委員長たちだったら、あなた、ずっと酷いことをされているんだから」
 ぐりぐりと体重をかけて葉月の秘所を踏みにじりつつ、優子がそう言う。痛みに左右に首を振り、悲鳴を上げるばかりで、葉月は答えられない。なおもしばらく葉月の秘所を踏みにじり、葉月に苦痛の悲鳴を上げさせると優子はふんと鼻を鳴らして足を上げた。踏みにじられ、真っ赤になった右手で秘所を覆ったまま力なく葉月がすすり泣く。
「いいわ、本当の罰がどんな物なのか、あなたに見せてあげる。そうすれば、あなたも私に感謝したくなるでしょうからね」
 すすり泣く葉月を傲然と見下ろし、優子はそう呟いた。

 その数分後、葉月は優子に引き立てられて地下の廊下を歩いていた。両腕は背中に回されて縛られ、胸を上下から絞り出す縄はそのままに、更に縄が追加されている。胸の縄に結ばれた新たな縄はまっすぐに下に降ろされ、股間に食い込んで背中で交差した腕に繋がっていた。その縄には大小二つの結び目が作られており、小さい方の結び目は丁度肉芽に当たる位置に、そして大きい方の結び目は秘所の割れ目に食い込む位置に作られている。単に歩くだけで縄が秘肉や肉芽とこすれ、痛みと快感が微妙に混じった感覚を伝えてきた。首には犬用の首輪が巻かれ、そこから伸びた紐を優子が握っている。股間に伝わって繰る縄の刺激に足を止めようとする葉月のことを容赦なく引っ張りながら、優子はいくつかの扉の前を通り過ぎていった。
「さて、と。まずは、ここを見てもらおうかしら」
 いくつめかの扉の前で足を止めると、優子が悪戯っぽい口調でそう葉月に告げた。扉に作られた覗き窓を開け、紐を引っ張って葉月の顔を窓の前に持ってくる。なすがままになって窓を覗き込んだ葉月が、声にならない悲鳴を上げて一歩あとずさった。がちがちと歯を鳴らす彼女の後頭部に掌を当て、窓に押しつけるようにしながら優子がくすくすと笑いながら説明する。
「彼女は、あなたと同じ一年生よ。新体操部の新人なんだけど、新人戦に出場するために学院から出た時、規則を破って家に連絡をしようとしたの。もちろん、すぐに見つかって連絡は出来なかったんだけどね」
「あ……あ……ひ、ひどい……」
 優子の説明も半ば右から左に透通りさせて、呆然と葉月が呟く。開かれた覗き窓の向こうでは、四つんばいになった一人の全裸の少女が前後から少年たちに犯されていた。身体のあちこちにはべったりと白濁した性液がこびりつき、健康的に日に焼けた小麦色の肌を汚している。既に長時間に渡って犯されつづけているのか、目はうつろで、口と秘所とを犯す少年たちの動きに合わせて身体をぐらぐらと不安定に揺らしていた。
「朝から放課後まで、二十人以上の相手にずっと犯されっぱなしだから、そろそろ壊れちゃうかもしれないけど、ま、自業自得よね。バージンだったから最初は随分泣きわめいてたみたいだけど、もう悲鳴どころか喘ぐ体力も残ってないようね」
 軽く肩をすくめながらそう優子が言い、それとほぼ同時に前後から少女を犯していた少年たちがぐっと腰を突き出して動きを止めた。男根をくわえこんだ少女の唇から、くぐもった苦鳴が漏れた。少年たちが少女から身体を離すと、力尽きたようにどさっと少女が床に倒れ込む。ひくっひくっと細かく身体を痙攣させる少女の口と秘所から、どろりとした性液が床にこぼれた。放心している少女の髪を今まで彼女を犯していたのとは別の少年が掴んで引きずり起こすと、半開きになった小さな唇へと自分の男根を強引にねじ込み、頭を掴んで前後に揺すり始める。抵抗することも出来ず、されるがままになっている少女の腰を別の少年が掴み、腫れ上がった少女の秘所へと男根を突き立てた。一瞬びくんと背中を震わせた少女を、二人の少年が無言のまま陵辱していく。
「どう? 彼女みたいに、男たちの相手をしたい?」
 ぱたん、と、覗き窓の蓋を閉めると優子が笑いながら葉月に問いかけた。羞恥のために赤く染まっていた頬を青ざめさせ、ふるふると葉月が首を横に振る。今見た光景のショックで声も出せずにいる葉月の姿に笑いを浮かべると、優子は葉月の首輪の紐を引っ張った。
「それじゃ、次に行きましょうか。あなたは私に痛めつけられてると思ってるみたいだけど、あれを見たらそれがとんでもない誤解だったって分かるはずよ。私がやってるのはただのお仕置きだけど、これから見せるのは拷問だもの」
 恐怖にがたがたと震えている葉月を引き立てながら、優子は楽しそうに笑った。

 震える葉月を連れ、優子は別の部屋の扉を開けた。中に居た人間たちの視線が彼女へと集中する。以前と同じように下着姿で四つんばいになった女教師に腰かけていた少年、生徒会長の新城が軽く首を傾げた。
「おや? どうしたんだい?」
「この子に本当のお仕置きという奴を見学させてあげようかと思いまして。かまいませんか? 新城様」
 葉月に対する時とはうってかわって恭しい口調になり、優子がそう尋ねる。ふぅん、と、気のない声をあげると新城は視線を動かした。
「優子はああ言ってるけど、美咲はかまわないかい?」
 新城の問いかけを受けた少女が、蝶を象った仮面の下からじろりと険悪な視線を優子に向けた。日に焼け、小麦色というよりは浅黒いと形容した方がいいような肌をした大柄な少女だった。無駄な贅肉のない、引きしまった筋肉質の身体付きをしている。制服姿ではなく、葉月が初めて地下に連れられてきた時に優子が着ていたのと、似たようなボンテージスタイルだ。色彩は黒を基調としているし、細かい部分ではデザインもだいぶ違うのだが、漂わせている雰囲気は同じ物だ。僅かに沈黙を挟み、美咲と呼ばれた少女は新城の方へと頭を下げた。
「……新城様が、かまわないのであれば」
「そう? 僕はかまわないと思うけど。優子、いいってさ」
「ありがとうございます、新城様」
 こだわらない感じの新城の言葉に、優子が頭を下げる。頭を下げたまま小さく笑うと、優子は葉月の方を振り返った。
「一応、紹介しとくわね。あの筋肉女が闇の体育委員長の相馬美咲そうまみさきよ」
「誰が筋肉女だって!?」
 優子の言葉に、美咲が憤然として叫ぶ。くすくすと笑いながら優子が視線を美咲の方へと向けた。
「怒るって事は、自覚があるんじゃない? 別に馬鹿にしてるわけじゃないのよ? 体育会系の連中をまとめるのに必要なのは、頭じゃなくて筋肉ですものね。ま、あなたの場合は、頭の中まで筋肉が詰まってるみたいだけど」
「優子、てめぇっ!」
 優子の挑発にあっさりと乗って美咲が拳を固める。一触即発の空気が漂ったその時、新城が呆れたような声を二人へと投げかけた。
「いいかげんにしたらどうだい? 二人とも。別に仲良くしろとまでは言わないけど、そうやっていがみあってる姿って見ていて気持ちのいいものじゃないよ?」
「も、申し訳ありません、新城様」
 のんびりとした新城の言葉に、優子と美咲が声をそろえて頭を下げる。くすくすくすという、小さな笑い声が美咲の背後から響いた。
「本当に、お二人は仲がよろしいんですわね。ほら、昔から言うでしょう? 喧嘩するほど仲がいいって」
「絵夢、あのなぁ……」
 そう言いながら、蝋燭の弱い光でははっきりと照らし出されることのない部屋の隅の暗がりの中から一人の少女が歩み出る。口元を左手で覆って笑う制服姿の少女の方を振り返り、うんざりしたような声を美咲が上げた。くすくすと笑いながら、少女は視線を優子の背後、縛られた葉月の方へと向けた。この場に似合わない、清楚な雰囲気をまとった少女が穏やかな笑みを浮かべて葉月へと軽く頭を下げる。腰の辺りまで伸ばされた癖のない黒髪が、その動きに合わせてさらさらと流れた。
「はじめまして。わたくしは、白井絵夢しらいえむと申します。一応、保健委員長を勤めさせていただいていますわ」
「は、はじめ、まして……」
 穏やかな相手の口調に、葉月が戸惑いながらも言葉を返す。小さく笑い、絵夢が葉月の前まで足を進めた。
「そんなに緊張しなくてもかまわないんですよ? 委員長とはいえ、私も貴方と同い年ですもの」
「え……?」
 絵夢の言葉に、僅かに葉月が目を見開いた。言われてみれば、確かに彼女の制服の襟元に走るラインは緑。一年生の色だ。
「彼女のお姉さんが前の保健委員長だったんだけどね。卒業するのと入れ代わりになる形で、彼女が入学してきたから、自分の後継者に任命したんだよ。彼女の家は地元じゃ有名な医者の家系らしくてね、この年でもう並の医学部生なんかじゃ及ばないぐらいの知識と経験を持ってるんだ」
 新城が、腰かけた女教師の胸を手で弄びつつそう説明を加えた。ちなみに、この学院では生徒会役員と各委員長はすべて前任者の指名制である。自分自身を指名することも許されるので、大抵の人間は卒業するまではその職についている。
「買いかぶり過ぎですわ、新城様。わたくしはまだ、姉様の足元にも及ばない未熟者です」
「そうかな? 素質じゃ、砂斗さとの上を行くと思うけどね。
 ま、いいや。美咲、そろそろ、はじめないかい? あんまり待たせるのも可哀想だよ」
 穏やかな絵夢の反論に、こだわらない口調でそう応じると、新城は視線を美咲の方に向けた。はい、と、頷いて美咲が指を鳴らす。隣室へと通じる扉が開き、二人の男子生徒に背中で縛られた両腕を抱えられてレオタード姿の少女が連れてこられた。蝋燭の乏しい明かりでは良く分からないが、ショートカットでこんがりと日に焼けた活発そうな少女だ。ただ、今は当然ながら怯えたような表情を浮かべている。
「さて、新体操部部長、清川芹香きよかわせりか。先日の不祥事の罪をあがなってもらおう。新入部員の監督を怠り、この学院の秘密を外へ漏らしかねない行動をとらせた罪は、はっきり言って重いよ」
 腕組みをしながら、美咲がそう宣告する。額に汗を浮かべ、芹香はうつむいた。
「は、はい……分かって、います」
「潔くって結構だね。では、闇の体育委員長、相馬美咲の名において、刑の執行を行う!」
 芝居がかった口調でそう告げると、美咲はさっと右手を上げた。部屋の隅の暗がりから、男子生徒が刑に使う道具を運んでくる。蝋燭の明かりの中に運ばれてきたそれを見て、ひっと小さく芹香が悲鳴を上げた。
 運ばれてきたのは、彼女の腰ぐらいの高さの台だ。ただし、その台の中央からにょきっと天井めがけて巨大な張り型が突き出している。長さは、大人の男の腕の肘から先を切り取ったぐらい、直径の方は胴体部分でも20cmぐらいはあるだろうか。先端部分は更にキノコの傘のように大きく張り出している。胴体部分は黒い樹脂制だが、張り出した傘の部分は金属の光沢を見せていた。
「まぁ……凄い太さ。あんなのを挿入されたら、とっても気持ちいいでしょうねぇ……」
 凶悪なまでのサイズで芹香に息を飲ませた張り型に、うっとりとしたような視線を向けて絵夢がそう呟く。かくっと、軽く前のめりにこけて美咲が視線を絵夢へと向けた。
「気持ちいいって……あんな代物をぶち込まれたら、確実にあそこが裂けるぜ?」
「それは、そうでしょうけど、最初の痛みが大きいほどその後の快感が強くなるものですし。ほら、痛いのは最初だけで、慣れれば気持ち良くなるって言うじゃないですか」
「あれで貫かれて気持ち良くなるのは、真性のマゾでも難しいと思うけど……」
 呆れたように小声で優子が呟く。もっとも、その言葉は絵夢の耳には届かなかったのか、彼女からの答えはなかった。ひらひらっと絵夢に向かって手を振って見せると、美咲が疲れたような声を出す。
「あー、わぁったよ。後でおまえさんにも使わせてやるから、ちょっと黙っててくれ。緊迫感が削がれちまう」
「わぁっ、本当ですか? 約束ですよ、美咲さん」
 心の底から喜んでいる笑顔でそう言う絵夢に、軽く額を押さえて美咲が首を振る。気を取り直し、美咲がしかめっつらを作ってぱちんと指を鳴らした。男子生徒の一人がハサミを手に取り、芹香の着ているレオタードの股間の辺りを切り裂いた。がちがちと歯を鳴らしている芹香の両足を二人の男子生徒たちが抱え込み、三人目が脇の下に手を回して彼女の身体を持ち上げる。ひいっと甲高い悲鳴を上げると芹香は抱え上げられた身体をくねらせた。
「嫌っ、やめてっ。あんなの、はいんないっ。お願いっ、許してっ。いやっ、怖い……」
「今更じたばたするんじゃないよっ」
 悲鳴を上げ、哀願する芹香を美咲が怒鳴りつける。抱え上げられたまま僅かの距離を移動し、黒い茂みに覆われた芹香の秘所が巨大な張り型の真上に来た。ゆっくりと男子生徒たちが芹香の身体を下げていき、張り型の先端を秘所へと押し当てる。ひやっとした金属の感触に、芹香が身体を震わせた。先端が僅かに裂け目に潜り込んだだけだというのに、鈍い痛みが股間に走る。
「無理っ、無理よっ。お願いっ、許してっ。裂けちゃうっ、裂けちゃうってばっ。うぐうううぅっ」
 彼女の身体を支える三人の男子生徒たちが腕に込めた力をゆるめる。自分自身の体重によって身体が下がり、メリメリっと裂け目を押し開きながら張り型が芹香の身体の中にめり込んでいった。股間から激痛と強烈な圧迫感が走り、大きく目を見開いて芹香が呻き声を上げる。
「うっ、ぐっ、無理、だってばっ。はいんないっ、はいんないよぉっ。アグッ、アガガッ、ギイヤアアアアアアアア--ッ!!」
 懸命に首を振り立て、泣き叫ぶ芹香。彼女の両足を抱え込んでいた二人の男子生徒がぐんっと体重をかけて彼女の身体を引き降ろした。巨大な張り型が、少女の秘所を容赦なく引き裂きながらめり込んでいく。ピンと張りきった両太股の内側と、張り型の表面を真っ赤な血が伝い落ちる。天井を仰ぐように顔をのけぞらし、目と口とを大きく開いて芹香が苦痛の叫びを上げた。凄惨さに思わず顔を背けた葉月の顎を、優子が掴んで強引に芹香の方へと向けさせる。
「うふふ、あんなのを押し込まれたんじゃ、たまらないわよねぇ。まだ頭も全部入りきってないってのに、あんなに血が出てる。どう? あれを見てもまだ、私の責めが残酷だなんて言えるのかしら?」
「ひっ……や、やだ……」
 がちがちと歯を鳴らし、全身を細かく震わせて怯えきった表情を浮かべる葉月。その間にも、芹香は男子生徒たちの手によってぐいぐいと身体を押し下げられ、秘所に巨大な張り型を埋め込まれていく。既に男性経験は有るものの、まだ到底慣れているとは言えない身だ。十分な前戯によって潤されてから普通のサイズの張り型を埋め込まれるのであればまだ快感を得ることも出来るだろうが、恐怖によって乾ききった秘所に、到底受け入れられないサイズの張り型を強引に押し込まれているのだから感じるのは苦痛だけでしかない。背中を反りかえらせ、大きく見開いた目からポロポロと涙をこぼし、顎が外れんばかりに開いた口からは舌を突き出してヒギッ、ヒギッと切れ切れに呻きを上げている。あまりの激痛に、叫ぶ余裕すらないらしい。
「最初からあんまり一気に行くなよ? 少しずつ、押し込んでけ。その方が、苦痛が大きくなるからな」
 サディスティックな笑みを浮かべた美咲の言葉に、男子生徒たちが体重をかけるのを止め、単に暴れても落ちないように芹香の身体を支えるだけにする。自分の体重によって徐々に身体が下がる状態に置かれた芹香が、細かく身体を痙攣させた。たっぷりと時間をかけて大きく張り出した傘が完全に芹香の体内へと姿を消し、更に胴体部分がゆっくりと挿入されていく。引き裂かれ、どくどくとあふれ出す血が多少は潤滑油としての役割を果たしているが、全体の苦痛が大きすぎるために大して変化が感じられない。
「ヒッ……ギ、ア、アァッ……アググググッ……ハ、ギ、イィッ……」
「そろそろ、か。時間をかけすぎてもだれちまうからな」
 股間から身体をまっぷたつに裂かれていくような激痛に、弱々しく頭を振りながら掠れた悲鳴を漏らす芹香。小さく呟きながらにやっと笑うと、美咲が右手を突き出した。握られた拳から立てられた親指が、まっすぐに天井を向いている。男子生徒たちが、腕に力を込めて芹香の身体を持ち上げた。ゆっくりと秘所を引き裂きながら奥にめり込んでいた張り型が、傘の半ば近くまで引き抜かれる。張りだした傘にズタズタに引き裂かれた秘肉をかきむしられ、芹香がびくんと身体を震わせて悲鳴を上げた。
「アガアアアアァッ!!」
「あははははっ。そらっ」
 芹香の悲鳴に楽しそうに笑うと、美咲がくるりと拳を半回転させ、立てた親指を床へと向ける。ぐんっと体重をかけ、男子生徒たちは一気に芹香の身体を引き下げた。
「アギャギャギャギャギャギャアアアアアアアア----ッ!!!」
 メリメリメリッと秘肉を押し開きながら張り型が芹香の体内へと飲み込まれていく。既に引き裂かれた部分をかきむしり、まだ無事だった部分を無残に引き裂く。骨盤が砕けるかと思うほどの激痛と、内臓まで突き上げられたような圧迫感に芹香が狂ったように絶叫を上げた。腰を押さえた男子生徒の頭とぶつかりそうになるほど大きく海老反り、口からぶくぶくと白い泡を吹き上げる。ぽっこりと彼女の下腹部が膨らみ、べっとりと鮮血が彼女の両太股を濡らした。
「おやおや、まだ半分も入ってないじゃないか。しかたないなぁ」
 ぺろりと真っ赤なルージュの塗られた唇を舐めると、美咲が再び親指を天井へと向ける。真っ赤に濡れた張り型の傘が露出するまで芹香の身体を男子生徒に持ち上げさせ、半失神状態だった彼女の意識を秘肉をかきむしられる激痛によって覚醒させると、美咲はくんっと親指を下に向けた。
「ヒャギャガギヒギャアギギガガグガガガガッ!! ウギャギャギャギャギャガガガガガギャギギギギギイィッッ!!!」
 既に意味をなさない、濁音だらけの絶叫を上げて芹香が激しく頭を振り立てる。長大な張り型は彼女の膣を完全に埋め、先端部分で子宮口を突き上げていた。激痛に加えて、内臓を突き上げられ、そのまま串刺しにされそうな恐怖感がある。よだれを撒き散らし、足を突っ張らせて芹香が身体を痙攣させた。苦悶する芹香のことを、口元に笑みをたたえて美咲と優子が眺めている。新城は常と変わらぬ柔和な笑みを浮かべたまま、葉月は顔面を蒼白にし、歯をガチガチいわせながら、芹香の苦悶の姿を見守っている。
「あっ、はぁ……。うぅんっ、あの表情……ゾクゾクしちゃうわ」
 壁に背中を預けて制服の上から自分の胸を揉みしだき、スカートの中に手を突っ込みながら絵夢がうっとりとした表情と口調でそう呟いた。清純そうな容貌に、淫蕩な笑みが浮かんでいる。(挿絵)ちらり、と、そちらに視線を向け、新城が苦笑を浮かべた。
「おいで、絵夢。君の出番は、もう少し後だからね。それまで、慰めてあげるよ」
「あぁんっ、新城様……光栄ですわ……」
 蕩けきった笑みを見せ、絵夢が新城の前へと進み出た。四つんばいの女教師の上に腰かけた新城の、膝の上に背中を向けて腰を降ろす。二人分の体重をかけられた女教師がギャグに塞がれた口からくぐもった呻き声を漏らした。
「漬れたら、お仕置きだよ、亮子」
「ふっ、ぐっ、ううぅっ。むぐっ」
 柔らかな口調の言葉と共にぱしっとお尻を叩かれ、女教師が僅かに顔をのけぞらせた。顔を真っ赤にして、腕をぶるぶると震わせながら懸命に二人分の体重を支えている女教師にはそれ以上かまわず、新城は自分の膝の上に座らせた絵夢の胸を制服の上から鷲掴みにした。揉む、などという生やさしいレベルではなく、握り潰そうとしているかのように力を込めて掴み、捻る。ノーブラらしく、制服の布地越しでもはっきり分かるほどつんと乳首を立たせ、絵夢が喘いだ。
「あっ、あぁんっ、痛いっ、あぁっ、もっと……痛くして、お願いです、もっと強く……あはあぁんっ」
 右手で捻った絵夢の右胸の先端、制服の布地を押し上げている乳首を新城が左手でつまんだ。指の腹ではなく、爪を立てて、である。更に引っ張り上げながら容赦なく捻りを加えられ、絵夢がひっひっと切れ切れの息を漏らした。
「いっ、痛いっ、あぁっ、ち、千切れるっ。ああっ、イイッ、もっと、もっと……アアッ、ち、千切ってっ、いっそ、千切りとってくださいっ、ああぁっ、痛いっ、イイッ、ああぁんっ」
 嬌声をあげる絵夢の胸を握る右手を離し、新城は絵夢のスカートをまくりあげた。乳房自体と乳首とでは逆方向に捻られていたため、左手で摘ままれたままの乳首がいっそう強くねじれる。まくりあげられたスカートの下から、白い二本の足とその付け根の黒い茂みが姿を現した。パンティも履いていなかったらしい。既にびちょびちょに濡れた絵夢の秘所へと、拳を握った右手を新城が押し当てる。
「あれと比べたら物足りないだろうけど、まぁ、代用品ということで」
「あごああああぁ--っ!」
 潤みきった秘所へと拳を押し込まれ、絵夢が背を反りかえらせた。のけぞったことでいっそう乳首が強く引かれ、乳首と秘所と、二ヶ所にかなりの痛みが走ったはずなのだが、絵夢の声に含まれている響きは苦痛よりも快感の方がずっと多い。ぐりぐりと捻るように新城が更に奥深くへと拳を進めていき、びくんびくんと身体を跳ねさせて絵夢が悶える。秘肉がむしろ奥深くへとくわえこもうとしているようにうごめき、新城の拳をきつく締め上げた。
「……ああやって、拳を平気でのみこむくせに、指一本でも痛いくらい締めつけてくるのよねぇ、彼女。普通なら、がばがばになっちゃいそうなものなんだけど」
「まあ、恐怖の一人サドマゾ娘だからなぁ、あいつ。オレらみたいな常識人の感覚で判断できないのもある意味じゃ当然だろ」
 呆れたような優子の呟きに、珍しく美咲が同意の声を上げた。闇の生徒会、として、一応は仲間ということになっているが、実際には各委員長同士の中は悪いのが普通だ。何しろ、他人を痛めつけるのが三度の飯よりも好き、というようなサディスト集団な上にそれぞれ好みが違うのだから、それもしかたない。特に、優子のように相手を屈服させるのを目的としている調教師タイプと、美咲のように相手を壊すような過酷な責めを好む拷問人タイプとの間には結構深い確執がある。
 それでも、両者が思わず意見を一致させてしまうほど絵夢という存在は異色だった。委員長を勤めるのは全員がサディストであり、他人を痛めつけるのは好きでも自分が痛めつけられるのは嫌いという人間ばかりだ。自分が痛めつけられることで快感を得るマゾヒストの感性というのは、想像を絶している。しかも、絵夢の場合は他人を痛めつけることでも快感を得られるらしく、責める側に回っても他の委員長たちが思わず鼻白むほど残酷なことを平然としてやってのけるのだから、逆立ちしても理解できない相手だ。
「……まぁ、私たちも楽しませてもらいましょ。美咲、BGM、よろしくね」
 軽く肩をすくめ、するり、と、葉月の肩に腕を回して絞り出された膨らみを掌で包み込むと優子がそう言った。苦笑を浮かべつつ、美咲が肩をすくめる。
「BGM、ね。ま、オレはオレで勝手にやらせてもらうだけの話だけどな」
 美咲が視線を芹香の方に向ける。奥深くまで巨大な張り型を埋め込まれ、苦痛と圧迫感に失神寸前になっている彼女の姿ににやりと笑い、美咲は再び右手の親指を上へと向けた。男子生徒たちが、芹香の身体を持ち上げる。
「アッ、ガッ、グハアアアアァッ!!」
 秘肉がめくれ上がり、張り型に掻き出されるような形になる。秘肉だけではなく、内臓まで一緒に掻き出されているような錯覚を覚え、苦痛と恐怖に芹香が悲鳴を上げた。びくびくっと身体を痙攣させて泣き叫ぶ芹香の姿にすうっと目を細め、美咲が親指を下に向ける。
「ウギャギャギャギャギャギャギャギャッ!!!」
 男子生徒たちによって勢いよく身体を引き下げられ、いったんは抜かれた張り型を再び挿入されて美咲が濁った悲鳴を上げた。引き裂かれ、血を流している彼女の秘所を容赦なく張り型が刺し貫く。一番奥まで張り型が押し込まれると再び身体が持ち上げられ、傘が半分ぐらい姿を見せるところまで持ち上げられるとまた引き下げられる。その度に首を振り立て、こぼれんばかりに目を見開いて絶叫を上げる芹香。くすくすと笑いながら美咲が彼女の苦悶する姿を眺め、優子も薄く笑いを浮かべながら抱き抱えるようにした葉月の胸を揉み、首筋に舌を這わせる。同性の愛撫に生理的な嫌悪感を感じてしまうのか、葉月が泣きそうな表情を浮かべて身悶えるが、それはむしろ優子を喜ばせる結果にしかならない。
「あっ、や、やだ……やめて、ください。お願い、許して……」
「それじゃ、彼女みたいな目にあうほうがいいの?」
「ウギャッ、ウギャギャギャギャッ、ギャヒイイイイィッ、じぬっ、じんじゃううぅっ、アガアアアアァッ!!」
 弱々しく哀願の声を漏らす葉月の耳元に息を吹きかけながら、優子が意地の悪い笑みを浮かべる。彼女の言葉に被さるように、身体を引き降ろされた芹香の絶叫が響いた。びくっと身体をすくませる葉月の胸を嬲りつつ、優子が更にささやく。
「あなたがああいう目にあいたいなら、それはそれでいいのよ? 私は優しいから、あなたのして欲しいようにしてあげる。どっちがいい? 私と、美咲と、好きな方を選ばせてあげるわ」
「ゆ、優子、さんのほうが、いいです……ああっ、やだっ、そこは許してっ」
 するするっと降りてきた優子の指が自分の股間に触れたのを感じて葉月が切羽詰まった泣き声をあげる。くすくすと笑いながら、優子は股間に食い込む縄をずらして葉月の秘所へと指を入れた。くうぅっと声を漏らして葉月が頭をのけぞらせる。
「い、痛いっ、やっ、許して……お願いですからっ! ああっ」
「流石にきついわねぇ。うふふ、心配しなくても、まだ奥まで入れる気はないわよ。安心なさいな」
 入り口の辺りを指で嬲りながら、優子が軽く葉月の耳を噛む。ひっ、ひっと切れ切れの息を漏らす葉月の反応を楽しむように、空いた手で優子は葉月の乳首をつまみ、転がし、ひっぱった。
「いやっ、痛いっ、お願いですっ、やめてくださいっ。ああぁっ、許してっ、くださいっ」
「そんなに強くしてないでしょ? 大丈夫、そのうち気持ちよくなるから」
 葉月の哀願の声を無視して優子が両手を動かし、葉月の身体を嬲る。彼女のあげる苦痛の声をかき消すように、強制的に身体を上下に動かされ、巨大な張り型を抜き刺しされている芹香が絶叫を放ちつづけていた。新城の上では拳を秘所に埋め込まれた絵夢が苦痛と快感が混ざり合った声を上げて身体を震わせている。自らの手で制服を胸の上までまくりあげ、大きさは標準サイズながら形のいい乳房を握り潰すように掴み、こねくりまわす絵夢。拳を作った右手で彼女の秘所を犯していた新城が、薄く笑いを浮かべると左手でぷっくりと充血して膨れ上がった肉芽を摘まみ、爪を立てて引っ張り上げながら強く捻る。腕を刺し込まれた秘所から断続的に愛液を吹き出して新城の腕を濡らしつつ、身体を震わせて絵夢が悲鳴混じりの歓声を上げた。
「ああっ、いいっ、ヒイィ--ッ! 痛いっ、あぁっ、凄いっ、イクッ、イクッ、あぁっ、新城様っ。ああっ、もう、もう駄目っ、アア----ッ!」
 絶頂を告げる叫びと共に絵夢が身体をのけぞらせ、細かく身体を痙攣させる。僅かに遅れ、もう一つの叫びがそれに重なった。
「ギッ、ギイヤアアアアアアアアァッ!!」
 深々と巨大な張り型を飲み込まされ、子宮口を突き上げられた芹香がこちらは断末魔のような絶叫を上げたのだ。大きく背を反らせ、びくんびくんと身体を数度痙攣させるとそのまま白目を剥く。二人の叫びに軽く苦笑を浮かべて優子が葉月の身体から指を離した。へなへなとその場に座り込む葉月へとちらりと一瞥を向け、肩をすくめると優子は視線を放心したような表情を浮かべる絵夢の方へと動かした。
「そろそろ、出番じゃない?」
「はい……それじゃ、準備、お願いしますね」
 新城の膝の上から立ち上がり、僅かに足をふらつかせながら絵夢がそう言う。芹香の身体を支えていた三人の男子生徒のうち、足を抱えていた二人が手を離して動いた。一人は壁のフックに引っ掻けたロープを失神している芹香の腰に巻きつけ、もう一人はのけぞった芹香の額へと白っぽいバンドを巻きつける。バンドから伸びた電線をリモコンに繋ぎ、リモコンから伸びた電線を深々と芹香の秘所を刺し貫いている張り型の根元に繋ぐ。三人目が芹香から手を離したのを確認すると、絵夢は受け取ったリモコンのスイッチを無造作に入れた。
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」
 芹香が弓のように全身を反らせて絶叫を上げた。腰に巻かれたロープがなければ後ろに倒れ込んでしまうほど背中を大きくのけぞらし、足の指を丸めて後ろに足を大きく振り上げ、痙攣させる。くすっと小さく笑うと、絵夢はリモコンのスイッチを切った。絶叫がとだえ、芹香が全身を弛緩させてうつろな視線を宙にさまよわせる。ぐらり、と、上体が揺れ、前のめりになりかけたところで再び絵夢がスイッチを入れた。
「ヒギャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
 弾かれたように全身を弓なりに反らせ、芹香が絶叫を上げる。ぶるぶると全身を激しく痙攣させ、絶叫しつづける芹香の方にゆっくりと絵夢は歩み寄った。かちっとスイッチを切り、軽く背伸びをするようにしてのけぞった芹香の髪を掴む。
「どうです? 200Vの電流に犯される気分は? 最高でしょう?」
「ひ、ぎ……う、あ……たす、け、て……死ん、じゃう……」
 弱々しく呟く芹香の髪から手を離し、にっこりと微笑むと絵夢はスイッチを入れた。張り型の傘の部分、剥き出しの金属部分から電気が流れ、芹香の秘所を内部から灼く。
「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
 衝撃に、脳裏が真っ白になる。電流を流された全身の筋肉は意思とは関係なく引きつり、細かく痙攣した。レオタードに包まれた上体をきゅううっと反りかえらせ、天井を仰いで芹香が絶叫を上げる。全身に水でもかぶったかのようにびっしょりと汗が浮かび、濡れたレオタードがぴったりと身体に張りついて全身のラインをあらわにした。痙攣する身体から汗が飛び散って雨のように床へと降り注ぐ。微笑みを浮かべながら絵夢がスイッチを切り、視線を男子生徒たちに向けてぐったりとした芹香の身体を支えさせた。
「はひ……ひっ……ひっ……」
「脈は、正常。体温も……うん、まだ大丈夫ですね」
 うつろな呟きを漏らす芹香の首筋に右手を伸ばし、指で触れた絵夢がそう呟く。すすっと男子生徒たちが離れ、リモコンのスイッチが入れられる。絶叫と、痙攣。しゃあっと、芹香の股間から黄色い液体がほとばしり、床を濡らす。あらあら、と、小さく呟いて絵夢がスイッチを切った。
「お漏らしするほど、気持ちよかったんですか?」
 ひくっ、ひくっと、なおも身体を痙攣させている芹香に向かってそう問いかけながら、絵夢は彼女の首筋に手を伸ばし、脈を取った。
「ちょっと、脈が乱れてますね。体温も上昇……少し、間をあけないと、死んじゃいますね」
「た、すけ……て……死ん、じゃう……たすけ……て」
「大丈夫、ちょっと立てば回復しますから」
 男子生徒たちに支えられ、うつろな呟きを漏らす芹香へと絵夢が笑顔でそう答える。その言葉が耳に届いていないのか、うわごとのように呟きつづける芹香の首筋に手を当て、脈を計りながら絵夢は数分間のインターバルを取った。とんとんっと爪先で床を叩いていた美咲が、すこしいらだったような表情を浮かべた頃になってやっと絵夢は小さく頷いて手を離した。男子生徒たちも手を離し、スイッチが入れられる。
「アギャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
 耳を覆いたくなるような絶叫が響き、芹香が全身を弓なりに反らせて激しく震わせる。にこにこと笑いながら芹香のことを眺めていた絵夢が、ぶくぶくと芹香の口から泡があふれるのを確認してスイッチを切った。新城の方を振り返り、軽く首を傾げる。
「もうしばらく、遊んでいてもいいですか? 今度は、回復にちょっと時間が掛かりそうなんですけれど」
「うーん、僕はかまわないけど、他の人が退屈しちゃいそうだね。そろそろ、仕上げにしちゃった方がいいかな。一応、今回は美咲の補助なわけだし、ね」
 両手で腰かけている女教師の股間と胸を弄びながら、新城が小さく笑う。はい、と、従順に頷くと絵夢は男子生徒たちへと視線を向けた。男子生徒たちが失神している芹香の身体に手をかけ、持ちあげる。引き裂かれたうえに電気を流されたショックで痙攣を起こしていた膣を引き抜かれていく張り型がえぐり、激痛によって芹香の意識を覚醒させた。細かく身体を震わせて掠れた呻きを漏らす芹香の身体がぐぐっと持ち上げられていき、ついに張り型が完全に引き抜かれる。びくんっと身体をのけぞらせた芹香の身体が、床の上に横たえられた。力なく投げ出された両足の内側は、べったりと血で真っ赤に染まっている。両足と肩を押さえ込まれた芹香の、無残に開いた秘所の前へと絵夢が屈み込んだ。
「それじゃ、薬を塗りますね。ちょっとしみますけど、効果は保証しますから」
 笑顔でそう告げると、絵夢は懐から軟膏の入ったハマグリの貝殻を取り出した。どうやら、市販されているものではなく自分で調合したものらしい。貝殻の中に収められた、妙に赤っぽい軟膏をたっぷりとそろえた右手の指で掬い取ると、引き裂かれ、ぱっくりと口を開けた芹香の秘所の中へと絵夢は無造作に指を突っ込んだ。
「ギッ!? アギャギャギャギャッ、ギャアアアアアアアア----ッ!!」
 指を秘所へと挿入された途端、凄絶な絶叫を上げて芹香が身体を暴れさせる。肩と足とを押さえ込まれているからほとんど身動きできない状態なのだが、激しく腰を突き上げ、床に叩きつけるように落とし、再び腰を突き上げる。ばたばたと腰を上下に動かし、精一杯に身体をくねらせ、首を振り立てて絶叫を上げる芹香の姿に、絵夢が唇を笑みの形に歪めた。左手を芹香の腰にそえ、激しく上下左右に動きまわる腰の動きに合わせて右腕を動かす。秘所の中に挿入された四本の指を動かし、中にあふれかえっていた鮮血をぴちゃぴちゃと鳴らしながら絵夢は軟膏を傷ついた芹香の秘所に塗り込んでいった。
「アギャギャッ、ギッ、ギャアヒイイィッ、ヒギャッ、ギャッ、ギャアアアアアアアアアッ!!」
 絵夢の指が動くたびに、絶叫を上げて芹香が押さえ込まれた身体をのたうたせる。こぼれんばかりに目を見開き、口の端に泡を浮かべて身悶える芹香を、楽しそうな笑いを浮かべて闇の生徒会の面々が眺めている。唇を震わせ、震える声で葉月が優子に問いかけた。
「あ、あの薬、も、もしかして……?」
「ん? そっ。あなたも使ったことがある、例の特製軟膏。効果はあなたも知ってるわよね?」
 葉月の問いに、あっさりと優子が頷く。青ざめていた顔を更に恐怖に引きつらせ、苦悶を続ける芹香から葉月は目を反らした。脳裏に、あの時の激痛がよみがえる。
 鞭打ちによって、無残に引き裂かれた背中と尻に優子の手によって塗られた軟膏。塩や唐辛子、ワサビにマスタードといった、あらゆる刺激物を合わせたよりもなお激しいような強烈な刺激に、あの時葉月は目の前が真っ白になるのを感じたのだ。しかも、どんな刺激物であれ時間がたてば痛みは収まるはずなのに、あの薬によって与えられた刺激はいつまでたっても衰えることなく自分を責めつづけた。結局、一晩中、一睡も出来ずに叫びつづけていたのをはっきりと覚えている。あれだけの傷が三日とたたずに完全に跡も残さず消えたのだから治癒効果は想像を絶しているが、だからといって再びあの苦痛を味わう気にはなれない。あれを再び味わうぐらいなら、鞭打ちを千回受けた方がよっぽどましだ。
 肘の辺りまで芹香の秘所の中に押し込んでまんべんなく薬を塗りつけると、絵夢は懐から今度はソーイングセットを取り出した。こちらは、コンビにで売っているようなごく普通の品だ。針と糸を取り出し、糸を針に通すと、絵夢は芹香の腹の上へとまたがった。身体をのたうたせることで痛みを紛らわすことも出来なくなり、芹香の口から獣じみた絶叫が上がる。くすくすと笑いながら、絵夢は無造作に糸を通した針を芹香の秘所へと突き立てた。
「----ッ!!」
 びくんっと、弾かれたように首をのけぞらして芹香が口を大きく開く。苦痛のあまり、叫ぶことすら出来ないのか、絵夢が針を動かすたびに口と目を大きく見開いたまま芹香はびくんびくんと身体を大きく震わせた。いっそ気絶してしまえれば楽になれるのだろうが、大きすぎる痛みはそれを許してくれない。
「--ッ! --ァ! ---ィ!! ----ァッ!!」
 ずぶり、ずぶりと針が秘肉に突き立てられるたびに、声にならない絶叫を放って芹香が身体を震わせる。糸によって、無残に開ききった芹香の秘所は少しずつ少しずつ閉じあわされていった。
「はい、これで終わりです」
 十分以上の時間をかけ、完全に芹香の秘所を縫いあわせてしまうと絵夢はそう言ってにっこり笑った。またがっていた芹香の上から立ち上がり、横に移動してから新城の方へと一礼する。男子生徒たちも押さえつけていた芹香の身体から手を離し、立ち上がった。上から押さえつける力がなくなるのを待っていたかのように、芹香がびくんと身体を海老ぞらせ、再び悲鳴を上げ始める。
「あひっ、ひゃっ、ぎっ、あっ、あひゃうっ、ひゃはっ、ひゃっひいいぃっ、ぎぎっ、ひゃっ、ひひゃうっ」
 何かを言いたいのか、床の上をのたうちまわりながら芹香は奇声を上げつづけている。うつろな、焦点の合わない彼女の瞳を見て新城が軽く肩をすくめた。
「壊れちゃったかな?」
「さぁ……? 明日一日ぐらいは、こんな調子が続くでしょうけど。その後で錯乱するか正気を取り戻すかは、彼女の精神力次第ですね」
 軽く首を傾げながら絵夢がそう応じ、新城が苦笑を浮かべた。
「まぁ、美咲が担当だからね。壊れるだろうなって、最初から予想はしてたけど」
 奇声を上げ、床の上でのたうちまわっているレオタード姿の少女を眺め、新城はそう呟いた。
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