番外編2


 きょ~ちゃんへ。
 きょ~ちゃん、今日は風邪引いちゃって学校お休みだったんだよねぇ。もう元気になったかなぁ? 大丈夫? 風邪が移るといけないからって、昨日から会ってないんだけど、しぃちゃん、とっても寂しいんだ。早く元気になってね。
 あのね、きょ~ちゃんが今日はお休みだったから、しぃちゃん、頑張ってお仕事したんだよぉ。何か、校則違反した人がいたんだ、今日。えっと、何の違反だったのかは……えへへ、忘れちゃったんだけどね、委員会の人たちが連れてきたの。
 でね、でね、悪いことした人だから、罰を与えてあげなきゃいけないんだよね。ホントだったらきょ~ちゃんのお仕事なんだけど、今日はきょ~ちゃんお休みだったでしょ? だから、しぃちゃんが代わりにその人に罰を与えてあげたの。えへへ、偉いでしょ?
 その時の話、きょ~ちゃんが元気になったらいっぱいするね。とっても楽しかったんだから。あ、大丈夫、きょ~ちゃんが元気になったら遊べるように、ちゃあんとその人、地下のお部屋に閉じ込めてあるから。心配しなくても、しぃちゃん一人で遊んだりしないからね。
 でも、やっぱりきょ~ちゃんに会えないのは寂しいなぁ。早く元気になってね、きょ~ちゃん。
しぃちゃんより


「お願いですっ、許してっ、私、酷い罰を受けるようなこと、していませんっ」
 壁に繋がれた女生徒が、悲痛な声で叫ぶ。おとなしそうな少女で、全裸に剥かれたその裸身は全体的に肉付きが薄く、胸も小振りだ。微かに頬にそばかすが浮かんでいるせいもあってか、二年生なのだがやや幼い印象を受ける。もっとも、幼く見えると言う点では右に出るものの居ない椎名と比べれば、充分年相応に見えるのだが。
「えっと、この人、悪いことしたんだよね?」
 軽く首を傾げながら、椎名が背後に控える男子生徒へとそう問いかける。風紀委員会に所属する男子生徒が、ぴしっと背筋を伸ばしたままで軽く眼鏡のつるに手をやった。
「はい。この女は……」
「あ、詳しいことは、いーよ。悪いことしたのが確かなら」
「はぁ」
「じゃ、始めよっか。んと、まずは何からやろうかなぁ」
 脇に置かれた机の上に目をやり、子供が玩具を選んでいるような口調でそう呟く椎名。ひょいっとその手が伸び、クリップの入った箱を取る。クリップと言っても数枚の紙を止めるような小さな物ではなく、何十枚もの紙をまとめて挟むための、鉄で出来た洗濯挟みといった感じの大きな物だ。
「最初はこれにしよっと」
「や、やだ、何をするの、やめて……きゃああぁっ」
 カチッカチッとクリップを鳴らしながら歩み寄ってくる椎名の姿に、怯えた表情を浮かべて女生徒がカチカチと歯を鳴らす。にこにこと楽しそうな笑いを浮かべ、椎名はばちんと女生徒の右の乳首をクリップで挟み込んだ。何十枚もの紙をまとめて挟み込むためのものだから、当然バネは強力だ。乳首を千切り取られそうな激痛を感じて女生徒が悲鳴をあげる。
「い、痛いっ、外して、乳首が、千切れちゃうっ」
「ん~……はい、反対にもプレゼント」
「きゃあああああぁっ! 痛いっ、痛い痛い痛いぃっ!」
 左の乳首もクリップで挟み込まれ、悲鳴を上げて女生徒が身をよじる。軽く一歩さがってじっと身悶える彼女の姿を眺め、首を傾げると椎名は次のクリップを手に取った。
「ん、と……この辺にも、つけよっかな」
「きゃああああぁっ! 嫌ぁっ、やめてっ、やめてえぇっ! おっぱい、千切れちゃうぅっ」
「こっちにも、と」
「きひいいいぃっ! 痛いぃっ!」
「この辺にも、欲しいかなぁ?」
「きゃあああああああぁっ!」
「えっと、こっちにこう付けたから……うん、やっぱりここにも要るよねぇ」
「いやあああああああぁっ!」
「あれぇ? あんまりバランス良くないなぁ。じゃ、この辺にも……と」
「きゃあああああぁっ! 許してぇっ、もう、やめてぇっ! おっぱいが、千切れちゃうよぉっっ」
「ん、と……ついでだからこの辺も」
「きいいいいいぃっ! 千切れるっ、千切れちゃうぅっ!」
 ぱちん、ぱちんと小振りの乳房の肉をクリップで挟み込んでいく椎名。クリップが付けられるたびに乳房に激痛が走り、女生徒が大きく目を見開いて泣き叫ぶ。十個ほどのクリップを女生徒の胸に付け終えると、再び一歩さがってしげしげと椎名は自分の仕事の成果を確かめた。
「ん。いい出来だね。それじゃ、他の場所にも付けてあげるね」
「いっ、いやっ、やめてっ、もう許してっ! 痛いの、もう、許してよぉ」
 涙で顔をべちゃべちゃにして、女生徒が許しを乞う。しかし、椎名はそんな相手の反応を気にもとめず、別のクリップを掴むと女生徒の腕の肉をぱちんと挟み込んだ。
「いやああああぁっ! 痛いぃっ!」
「ぱっちん、ぱっちん、クリップさん。今日も元気にお仕事だ♪」
「ひいいいいいぃっ! きゃああああああぁっ! 痛いっ、痛いよぉ、もうやめてぇっ! きゃああああぁっ!」
「挟むぞ挟むぞクリップさん。ぱっちんぱっちん、頑張ろう♪」
「きゃああああぁっ! 痛いっ、ああっ、もうやめてっ! きゃあああああぁっ!」
 よく分からない歌を口ずさみつつ、楽しげな笑いを浮かべて椎名がぱちんぱちんと女生徒へとクリップを取りつけていく。腕に、腹に、太股に、次々とクリップが取りつけられ、悲痛な悲鳴を上げて女生徒が身をよじる。強力なばねによって挟み込まれた部分の肉が、そのまま千切り取られてしまうのではないかと思うほど激しく痛んだ。
「今日も楽しくぱっちんと。お仕事、お仕事、頑張ろう♪」
「ギャアアアアアアアアアアアァッ!! グギャアアアアアアアアアアァッ!!」
 全身にクリップをぶら下げた女生徒の股間へと、椎名がクリップを伸ばす。敏感な秘所の花びらをぱちんぱちんと強力なばねで挟み込まれ、女生徒の口から濁った絶叫が上がった。大きく顔をのけぞらせ、ぶるぶると全身を痙攣させる。椎名が立ち上がって一歩下がり、しげしげと彼女のことを眺めるのと同じタイミングで、がっくりと首が前に折れ、しゃあっと股間から小水がほとばしる。
「あやや。お漏らししちゃった? しょーがないなー、もー」
 苦笑を浮かべながらそう呟くと、椎名はいったん机の方に足を向ける。ほとんどからっぽになったクリップの箱を机の上に戻すと、軽く首を傾げながら机の上に並べられた道具をぐるりと見回す。
「んーと、次はどれを使おっかなぁ。ん~、ど・れ・に・し・よ・う・か・な、か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・りっと。きゃはっ、これにしよっと」
 ひょいひょいっと指で並べられた道具を順繰りに差していき、最後に指差したバラ鞭を手にとって椎名が笑う。と、そこへ、おずおずと背後に控えていた男子生徒が声をかけた。
「あの、もうそのぐらいで充分なのでは? 校則違反といっても、たかが服装規定違反ですし……」
「え~~、もう終わりなのぉ? しぃちゃん、もっと遊びたいなぁ。駄目?」
 男子生徒の言葉に、ぷうっと頬を膨らませる椎名。最後は可愛く首を傾げて問いかけられ、男子生徒が少しどぎまぎしながら首を振った。
「あ、いえ、もちろん、続行されても結構ですが……」
「わ~い、ありがと~」
 満面の笑みを浮かべる椎名に、男子生徒が曖昧な笑みを浮かべてはあと頷く。本当に楽しそうな笑みを浮かべ、椎名ががっくりと頭を垂らしている女生徒の前へと歩いていき、無造作に鞭を横に振るった。
「ひいっ!?」
 弾かれたように顔を上げ、引きつった悲鳴を女生徒があげる。バラ鞭は力が拡散する分、一本の鞭で打たれた時に比べてに痛みは小さくなるのだが、もちろんそれなりには痛い。それに何より、がっちりと肉をくわえこんだクリップをまとめていくつも弾かれたわけだから、その痛みはかなりのものだ。
「きゃははっ、目、覚めたぁ? それじゃ、いっくよぉ~?」
「ひっ、いやっ、やめっ……ぎゃうぅっ!」
 椎名が鞭を振り上げるのを見て、女生徒が恐怖に表情を引きつらせて首を激しく左右に振る。そこにバシィッとバラ鞭が横殴りに叩きつけられ、濁った悲鳴が女生徒の口からあふれた。何十個ものクリップが鞭で打たれた衝撃で大きく震え、肉がむしり取られそうな激痛を女生徒に与えている。
「ん~、うまく取れないなぁ。この前見たビデオだと、バラバラバラってまとめてふっとんでたんだけどなぁ」
「ひっ、ひいぃ……。うあ、あ、もう、許して、ください。お願いですから……もう、やめてぇ」
「勢い、足りなかったのかなぁ。じゃ、今度は思いっきりいくね」
 女生徒の上げる哀願の声を完全に無視して、というよりは、そもそも耳に入れさえせずにぶつぶつと呟くと、椎名がぐぐぐっと身体を捻る。
「ええぇ~いっ」
「ギギャアアアアアアアアアアァァッ!!」
 ぐるんとほとんど一回転するような勢いで椎名がバラ鞭を女生徒へと叩きつけ、女生徒が絶叫を上げて大きく頭をのけぞらせる。後頭部を壁にぶつけたのか、ごんっと鈍い音が響いた。
 ばちんっ、ばちんっと女生徒の肉をくわえこんでいたクリップが弾け飛ぶ。くわえこまれていた部分の皮膚は真っ赤に染まっており、ところどころではすりむけて血をにじませている。
「きゃははっ、取れた取れた。ん~、でも、もっと『バラバラバラァッ』て感じでふっとんで欲しかったなぁ」
「ひ、ひいぃぃ……」
 弾け飛んで床に転がった数個のクリップに目をやり、椎名が軽く首を傾げる。掠れた悲鳴を上げてがっくりと顔を伏せ、はぁはぁと荒い息を吐いている女生徒へと、椎名は軽くバラ鞭を振るった。
「キヒイイイイィッ! やめてぇっ、死んじゃうぅっ」
 ぱしーんという軽い音と共に女生徒の肌に数条の赤い筋がうっすらと走り、打たれたクリップがぶるぶると震える。肉をむしり取られそうな痛みを感じ、女生徒が甲高い悲鳴を上げた。
「きゃはっ。きゃははははっ。そ~れっ」
「ヒイイイイィッ! キヒイイイイィッ! キヒャアアアアアァッ!!」
 楽しそうな笑い声を上げながら、椎名が左右の胸と股間へとバラ鞭を振るう。ぱしーんっ、ぱしーんっと軽い音が響くたび、女生徒は大きく目を見開いて甲高い悲鳴を上げ、身悶えた。
「許してっ、もう、許してよぉっ。キヒイイイイィッ!!」
 ぼろぼろと涙をこぼしながら哀願の声を上げる女生徒の股間を、ぴしっとバラ鞭が打ち据える。敏感な秘所の肉をがっちりと挟み込んだクリップが鞭で弾かれ、大きく揺れた。目を剥いて絶叫をあげる女生徒へと、楽しそうな笑い声を上げながら椎名が何度も鞭を振るう。
「ヒイイイイィッ! キヒイイイイイィッ! やめっ、やめてっ、ギャウウウゥッ!」
「きゃははははっ。ほ~ら、これならどうだ~」
「グギャアアアアアアアアアアァッ!!」
 笑いながらぐるりと身体を回転させ、椎名が勢いよく女生徒の左胸へとバラ鞭を叩きつける。ばちんっばちんっと女生徒の胸を挟み込んでいたクリップが弾け飛び、女生徒が濁った絶叫を上げた。まるで、胸がばらばらになったかのようなすさまじい激痛が走る。
「きゃははっ、どう? 楽しいでしょ? きゃははははっ」
「キャアアアアアアァッ! やめてっ、もうっ、キヒイイイイイィッ!」
 腕に、足に、腹に、びしばしとバラ鞭が襲いかかる。白い肌がうっすらと赤く染まり、クリップが弾かれるたびに激痛に女生徒が甲高い悲鳴を上げた。
「ヒイイイィッ! や、やめ、クヒイイイイィッ! ヒヤアアアアァッ! キヒイイイイィッ!」
「きゃははっ。こっちの胸も、とってあげるね~」
「グギャアアアアアアアアアアァッ!!」
 勢いよく右胸へと叩きつけられたバラ鞭が、肉をくわえこんだクリップを弾き飛ばす。胸を切り刻まれ、ばらばらにされたのではないかと思うほどの激痛に、女生徒が絶叫を上げて顔をのけぞらせた。
「そ~れ、それそれっ。きゃははははっ」
「きゃああああああぁっ! きひいいいぃっ! ひいいっ! きゃあああああぁっ!」
 椎名が楽しそうに笑いながらバラ鞭を振るう。打たれるたびに甲高い悲鳴を上げ、女生徒が身悶える。何度も打たれるうちに少しずつクリップがずれ、時折ばちんっ、ばちんっと弾け飛び始めた。クリップで挟まれていた辺りの肌は真っ赤に染まり、時にはずるりと皮が剥けて血をにじませる。
「きゃははっ、楽しいなぁ。きゃははははっ」
「やめてぇっ! もう、許してっ! きゃああああぁっ!」
 無邪気な笑いを上げながら、椎名が鞭を振るう。泣き叫び、身悶える女生徒の身体から、ばちんばちんとクリップが弾き飛ばされていく。全身に取りつけられたクリップのほとんどが弾き飛ばされる頃には、女生徒は既に息も絶え絶えという状態になって鎖で吊るされるような格好でうなだれていた。
「きゃははっ、真っ赤で奇麗だねぇ。ん~、それじゃ、ここのクリップも取ってあげるね♪」
「あ……あ……いや、やめて……そこは、許して……そんなとこ、私、死んじゃう……」
 ぱしっと、軽く股間の辺りをバラ鞭ではたきながら椎名が笑い、弱々しく顔を上げた女生徒が顔を引きつらせて哀願の声を上げる。軽く首を傾げながら椎名が両手でバラ鞭の柄を握ると大きく振りかぶった。
「それじゃ、いっくよぉ~?」
「やっ、やめっ……グウギャアアアアアアアアアア----ッ!!」
 バシィッと女生徒の股間にバラ鞭が振り降ろされ、花びらを挟み込んでいたクリップが二つまとめて弾き飛ばされる。断末魔じみた絶叫を上げて女生徒が身体を硬直させ、爪先立ちになってぶるぶると身体を痙攣させた。こぼれ落ちんばかりに目を見開き、大きく開いた口から舌を突き出してヒギッ、ヒギッと掠れた呻きを漏らす。全身の痙攣が消えると同時にがくっと女生徒の身体から力が抜け、じゃらっと小さな音を鎖が立てた。
「きゃははっ。そんなに痛かった~? きゃははっ」
 無邪気な笑いと共に椎名が女生徒の身体にバラ鞭を叩きつける。だが、既に女生徒は完全に意識を失っており、ぴくりとも反応しない。軽く首を傾げ、椎名が顎に手を当てた。
「あれぇ……? 動かなくなっちゃった」
 きょとんとした表情でそう呟くと、椎名が女生徒の方に歩み寄って身体を曲げ、下からうなだれる女生徒の顔を覗き込む。
「もしも~し?」
 椎名の手が女生徒の胸に伸び、血をにじませている乳首を摘まむと容赦なくひねり上げる。微かに女生徒の身体が震えるが、それだけだ。
「むぅ。つまんないなぁ、動かなくなっちゃった」
「あ、あの、今日はもうその辺で……」
「そ~だねぇ。動かなくなっちゃったら、しょうがないもんねぇ。しぃちゃん、もっと遊びたかったのになぁ」
 残念そうにそう呟くと、くるっと椎名が男子生徒の方に振り返る。
「ね、ね、他にもこーそく違反した人、いない?」
「い、いえ、今日は、彼女だけです」
「ええ~、つまんなぁい。ぶ~」
 ぷうっと頬を膨らませる椎名に、男子生徒がなんと答えていいのか分からずに呆然とした表情を浮かべる。ぽいっと机の上にバラ鞭を放り投げると、椎名はとことこと男子生徒の方に歩みよって彼の顔を見上げた。
「あの人、捕まえておいてね。きょ~ちゃ、じゃなかった、凶児先輩が学校きたら、一緒に遊ぶから」
「は、はぁ」
「じゃ、しぃちゃん、帰るね~。ばいば~い」
 気の抜けた返事を返す男子生徒の脇を擦り抜け、扉に手をかけると振り返って椎名がぶんぶんと勢いよく腕を振る。彼女が扉の向こうに姿を消すのを見送ると、男子生徒はぐったりとしている女生徒の方に視線を向け、軽く眼鏡のつるを押し上げた。
「これに懲りたら、次からはきちんとリボンを付けてくることですね」
 小さくそう呟くと、彼もまた部屋から出ていった……。
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