アマゾネス


 じめじめとした地下迷宮。時折天井から水滴が落ちてくる薄暗い通路を、松明を片手に一人のアマゾネスが歩いていた。動きやすさを優先してか、皮鎧に小型の円盾、剣といういでたちだ。
 じゃりっと、足元の石を鳴らしてアマゾネスがかなり広い円形の空間へと足を踏みいれた。松明の明かりが端までは届かず、暗がりの中に沈んでいる。きつめの美貌をしかめて彼女は奥へと足を進める。松明の明かりが向こう側の通路の辺りに届いた時、不意に獣じみた咆哮が轟いた。
「ミノタウロス!?」
 通路から姿を現した巨大な影を認め、アマゾネスが緊張を含んだ声でそう呟く。身の丈は彼女の約二倍、醜悪なまでに発達した筋肉質の人間の身体に、牛の頭が乗ったモンスターだ。知能は獣並みで魔法や特殊能力を使うようなことはないが、その巨体から繰り出される攻撃の威力はすさまじい。
「ガアアアアアアァァッ!!」
「くっ」
 耳の痛くなるような咆哮を上げ、巨大な戦斧を構えてミノタウロスが突進してくる。松明を投げ捨て、盾を構えるとアマゾネスは身構えた。ぶんっと風を裂いて振り降ろされる戦斧を飛びのいてかわし、すかさず切りつけるアマゾネス。しかし、強靭な相手の皮膚にはばまれ、たいした傷は付けられない。
「ゴアアアアアアァァッ!!」
「うっ、うわっ」
 怒りの咆哮を上げてぶんぶんと小枝のように巨大な戦斧を振りまわすミノタウロス。型も何もない、ただの力任せの攻撃なのだが、一撃一撃の威力が洒落にならない。表情を引きつらせながら、アマゾネスが懸命に相手の攻撃をかわしつづける。剣や盾で受け流そうにも、相手の一撃が重すぎる。下手に受ければ、剣や盾を一撃でぶち割られかねない。
 ぶんぶんと力任せの攻撃を繰り返すミノタウロスと、必死にそれをかわしながら、時折反撃を放つアマゾネス。ミノタウロスの身体に何ヶ所か裂傷が走るが、いずれもごく浅い。アマゾネスの表情に焦りが浮かび、全身にびっしょりと汗が流れる。
「あっ!?」
 何十度目かの攻撃をかわした時、ずるっとアマゾネスの足が滑った。恐怖の声を上げる彼女の体勢が崩れ、そこにミノタウロスが横殴りに戦斧を振るう。
「ギャッ! あ、あぐぐ……」
 辛うじて円盾で戦斧を受けとめたものの、ばきっと一撃で盾が割られ、更に殺しきれなかった衝撃でアマゾネスの身体が弾き飛ばされる。地面に叩きつけられて呻く彼女へと、ミノタウロスが咆哮と共に戦斧を振り降ろした。盾もろとも腕の骨も砕かれたか、左腕は動かない。右腕の剣をかざし、その一撃を受けとめようとするのだが、振り降ろされる戦斧はあっけなく剣をへし折り、そのままアマゾネスの胸へと叩き込まれる。
「ギッ、ギャアアアアアアァッ!」
 ばっと胸元から鮮血をほとばしらせ、アマゾネスが絶叫を上げる。剣を折ったことで勢いが削がれ、更に鎧のもっとも分厚い部分に当たったために致命傷は何とか免れていた。しかし、それでも傷は深く、もはや抵抗できるような状態ではない。
 床に転がり、痛みに呻いているアマゾネスの胸元へと、戦斧を投げ捨ててミノタウロスが両手を伸ばす。鎧の裂け目にミノタウロスの指が掛かり、油で煮込んで固めた皮鎧をまるで紙のように引き裂く。鎧もろとも胴着も引き裂かれ、発達した大胸筋に支えられた大きな二つの乳房があらわになった。ミノタウロスがべろりと舌を伸ばし、彼女の胸元を濡らす鮮血を舐め取る。ざらざらとした舌の感触に身をよじるアマゾネスの脳裏に、急に一つの知識が浮かび上がってきた。
 ミノタウロスは雄だけしかおらず、他種族の女を犯して子供をはらませる。
(ま、まさか……!?)
 恐怖に表情を引きつらせるアマゾネスの腰元を覆う鎧や胴着の残骸をむしり取り、ミノタウロスがアマゾネスの両足首を掴んで左右に割り開く。恐怖に表情を引きつらせ、懸命に足を閉じようとあがくが、力が違い過ぎる。ミノタウロスの股間からそそり立つ男根が、まるで受入準備の整っていないアマゾネスの秘所へとねじこまれた。
「ウギャアアアアァッ! ギッ、ヤッ、痛いっ、やめて、裂けるぅぅっ! ギイヤアアアアアァッ!!」
 人の腕ほどの太さを持つミノタウロスの男根に貫かれ、アマゾネスの口から絶叫があふれた。身体がまっぷたつになったかと思うほどの激痛に貫かれ、大きく目を見開き、頭をのけぞらせてがはっ、くはっと荒い息を吐く。激痛に身体を震わせる彼女の両腕をひとまとめにし、両手首をまとめて掴むとミノタウロスは身体を起こした。
「グギャアアアアアアァッ!!」
 身体が浮き、足が地面から離れる。貫かれた秘所に自分の全体重が掛かり、メリメリメリッとますます大きく引き裂かれる。快感などかけらもなく、脳裏が真っ白になるほどの激痛が彼女へと襲いかかる。
「ギヒャアァッ! グギャッ! ギヒイィッ! ヤベッ、デッ、動かっ、ないっ、デッ! ギャウウゥッ!」
 ぐんっ、ぐんっと、ミノタウロスが腰を前後に、あるいは上下に揺さぶるたびに、アマゾネスの口から絶叫があふれる。半ば白目を剥きかけ、口から舌を突き出してアマゾネスがヒグッ、ヒグッとえずくような声を上げ、びくびくっと身体を痙攣させる。
「ゴアアアアアァッ!」
「ウギャアアアアアアァッ!!」
 やがて、ミノタウロスが咆哮と共にアマゾネスの胎内へと精液をぶちまけ、唱和するように断末魔じみた絶叫をアマゾネスが上げる。ぶくぶくと口から泡を噴き、完全に白目を剥いたアマゾネスの手首をミノタウロスが離し、どさっと痙攣を繰り返すアマゾネスの裸体が床へと落ちる。無残に引き裂かれた股間からはどろっとしたミノタウロスの精液と彼女の血とが混ざりあったものがあふれ出している。
 意識を失い、暴虐に身体を痙攣させているアマゾネス。その足首をミノタウロスが掴み、逆さに吊り上げた。更に左右に大きく割り開く。
「グギャッ!?」
 みしみしっと、股関節が軋むほど大きく足を左右に割り開かれ、その痛みにアマゾネスが意識を取り戻す。痛みに身をよじる彼女の太股へと、がぶりとミノタウロスがかぶりついた。
「ウギャアアアアアアアアアァッ!!」
 アマゾネスの声から凄絶な絶叫が上がる。一口で骨が露出するほど肉をかじり取ったミノタウロスはそのまま肉を飲み込むと反対の太股にもかじりつく。どうやら、犯すには犯したものの、子供を産ませるために生かしておくつもりはないらしい。
「ギヒャアアアアアアァァッ!! ヤベデェェッ!!」
 激しく身体をのたうたせ、アマゾネスが絶叫する。獲物の叫びにはまるでかまわず、ミノタウロスは無残な傷口へと再びかじりついた。ばきばきっと骨が噛み砕かれ、肉が裂ける。
「グギャアアアアアアァァッ!! ギヒッ、ヒギャアアアァッ! 足、私の足がアァッ」
 のたうつアマゾネスの右足が、ほとんど根元から食い千切られて身体から離れる。こぼれんばかりに目を見開き、絶叫を上げつづけるアマゾネス。左足の根元の無残な傷口にもミノタウロスがかぶりつき、骨を噛み砕き、肉を裂き、アマゾネスの身体から食い千切る。
「ヒギャアアアアアァッ!! ギヒャッ、ヒャッ、ヒギイイイィッ! ヤベデッ、ボウダベダイデェェッ!!」
 床の上に落ち、のたうちまわりながらアマゾネスが泣き叫ぶ。両足を食い千切られたアマゾネスの上へとのしかかり、ミノタウロスは大きく口を開けて彼女の肩へと噛みついた。激痛に大きく目を見開き、絶叫を上げる彼女の肩からばきばきっという音が響き、ぶちんと食い千切られて腕が床に転がる。更に反対の腕も同じように食い千切られ、アマゾネスは胴体と頭だけという無残な姿になって泣き叫ぶ。
 アマゾネスの両腕、両足を食い千切ると、ミノタウロスは血まみれになってのたうちまわっているアマゾネスの両肩を掴み、彼女の右胸にかぶりついた。一噛りでほとんどまるまる乳房を噛み千切られ、アマゾネスが絶叫を上げる。くちゃくちゃと音を立てて咀嚼すると、ミノタウロスは反対の乳房もかじり取った。
「ウギャアアアアアアアァッ! ギギャギャッ! グウギャアアアアアアァッ!!」
 泣きわめき、のたうち、絶叫するアマゾネス。大量に血を流し、ほとんど命の火が消えかけた彼女の腹へと、ミノタウロスがかぶりつく。
「ギャアアアアアアアア----ッ!! グギャアアアアアアアア----ッ!!」
 ごぶっと口から血の塊を吐き出し、アマゾネスが断末魔の絶叫を上げる。こうして、単身地下迷宮に挑んだアマゾネスの冒険は終わりを告げた……。