神の花嫁


 しゃんしゃんしゃんと、行列の先頭を行く老婆の手にした錫杖が涼やか音を立てる。覆面をかぶった男たちが担いだ輿の上で、透けるような薄衣をまとった十五、六ぐらいの少女がぼうっとした視線を宙に向けている。 (挿絵)
 老婆の手にした錫杖の音と、虫の奏でる音だけが響く中、一行が山道を登って行く。やがて一行は洞穴の前にたどり着き、足を止めた老婆の脇を擦りぬけて男たちが洞穴の入り口の前に輿を降ろした。
「山神様、今年の花嫁をお連れしました。どうぞお受け取りくださいませ」
 老婆が洞窟の入り口の方へと向けてそう告げ、頭を下げる。しゃんっと一度錫杖を鳴らすと、老婆が更に言葉を続ける。
「五年後、また花嫁を連れてまいります。それまでの間、どうぞ我らにご加護を」
 老婆の言葉に覆面の男たちがその場に膝まづき、頭を下げる。しゃんっと老婆が錫杖を鳴らし、ぼうっとした視線を宙に向けたまま身じろぎ一つしない少女を残し、老婆と男が山道を降りて行く。リリ、リリリと虫の声が響く中、しばらくの時が流れる。
「ん……」
 微かな声を漏らし、少女がぴくんっと身体を震わせた。ぼんやりと霞が掛かっていたような瞳に光が戻ってくる。僅かに動揺したような表情を浮かべて周囲を見まわす少女の視界に、ゆっくりと洞窟から姿を現した『それ』の姿が映った。
「ひっ……!?」
 目を見開き、掠れた息を飲む少女。狼と猪をかけあわせ、更に醜悪にしたような姿をした獣が低い唸り声を上げる。全身に散らばったコブがびゅるるっと勢いよく伸び、少女の手足や胴体に巻きついた。
「き、きゃああああぁっ!?」
 ぐんっと宙へと持ち上げられ、少女が悲鳴をあげる。身体をもがかせる少女のまとう薄衣が、触手によってびりびりびりっと引き裂かれ宙を舞う。彼女の頭ほどもある、ほっそりとした身体つきには不釣り合いなほどボリュームのある乳房に、触手がぐるんと巻きついて淫らに歪ませる。痛みと快楽が入り混じった感覚に、うあっと悲鳴を上げて少女が顔をのけぞらせる。(挿絵)
「グルルルル……」
「うあっ、あっ、あんっ、あっ、ああぁっ。ひっ!? そ、そこは……ひゃうぅっ」
 触手が少女の胸を嬲る。何本もの触手があるいは乳房に巻きつき、あるいは乳首を弾く。量感のある乳房がぐにゃぐにゃと触手によってもみしだかれ、淫らに歪む。するするっと数本の触手が少女の股間へと伸び、少女が小さく悲鳴を上げた。
「うぁっ、そ、そんなとこ、あうんっ」
 足に巻きついた触手がぐぐっと大きく股を開かせ、粘液に濡れた触手が少女の股間を嬲る。うっすらとした茂みをぬるぬるとこすられ、別の触手の先端がつんつんと敏感な肉芽を刺激する。頬に真っ赤に血を登らせ、少女が喘ぐ。緩やかに開き始めた花びらからねっとりとした蜜があふれだし、少女の大きく割り広げられた太股の肉がぴんっと突っ張る。
「ふわっ、あっ、あうっ、あ……くううぅんっ。あんっ、あっ、ああっ、むぐっ!?」
 身体に巻きつく触手の粘液と自らの汗とで全身をてらてらと光らせ、少女が喘ぐ。はぁはぁと熱い息を吐き出すその可憐な唇に、ずぶっと触手が突きいれられて少女が目を白黒させた。触手がくねり、少女の口を犯す。
「あぐっ、むっ、むぐうっ、むぐっ、うっ、うぐっ……うごぉっっ!?」
 口一杯に触手を含み、頭を弱々しく振って不明瞭な声を上げる少女。その身体がビクンッと痙攣し、背筋がのけぞる。今まで外側をぬるぬるとこすっていた股間の触手が、不意に少女の花びらを押し分け、奥深くまで一気に突きいれられていた。
「おごっ、ごっ、むごおおぉっ!」
 目を見開き、少女が身体を小刻みに震わせる。触手に押し広げられ、貫かれた秘所から真っ赤な血があふれた。目を見開いた少女の口からくぐもった叫びが漏れる。
「うぐっ、おっ、もごっ、うごぉっ! うっ、うぐっ、むぐぅっ」
 つうっと涙を流しながら少女が呻く。秘所と口とを同時に犯される少女の尻の肉を押し分け、別の触手がすぼまった少女の肛門をつんっとつつく。びくっと身体を震わせた少女の肛門を、ずぶっと触手が貫いた。
「おごごごおおおおっ!!」
 くぐもった絶叫を上げ、少女が身体を硬直させる。ひくっ、ひくっと足指が丸まり、宙を掻いた。触手で嬲られる乳房がぷるぷると震え、歪む。
「おごっ、ごっ、むぐぉっ。むぐっ、ぐっ、うぐっ、お、おおぉっ」
 口と秘所、肛門の三ヶ所を犯され、宙に持ち上げられた少女が身体をくねらせる。見開かれた瞳にぼんやりと幕が掛かり、その口から漏れるくぐもった声に甘いものが混じり始めた。ねっとりとした汗が全身を濡らし、秘所からあふれる愛液もその量と粘度を増していく。
「おっ、むぉっ、うっ、うぐっ、むっ、むぐっ、むぐおぉっ」
 ピンっと背筋をのけぞらせ、少女がくぐもった叫びを上げる。ぶるぶるぶるっと全身が震え、硬直した。少女の身体から触手が離れ、どさっと重い音を立てて少女の身体が地面に落ちる。
「ひっ、あ……」
 唇を震わせ、掠れた声を漏らす少女。生まれて初めての絶頂に導かれ、全身を弛緩させている少女へと、のっそりと獣が歩み寄る。うつぶせに転がった少女の腰の辺りを触手が押さえ、僅かに持ち上げた。
「あ、あ……うああぁっ!」
 掠れた声を漏らす少女を、背後から獣のものが貫く。今まで受け入れていた触手とは比べものにならないほど太いものを、絶頂を迎えたばかりのひくつく秘所へとねじこまれ、少女が甲高い悲鳴を上げた。
「あっ、熱いっ、あっ、太くて、あっ、ああぁっ、硬いのがっ、うああぁっ!!」
 巨大な乳房が押し潰され、歪む。指先で土を掻き、少女が髪を振り乱して絶叫を上げた。少女の反応を気にもかけずに、背後から伸しかかるようにして獣が少女を犯す。(挿絵)
「ひいっ、ひっ、ひいいぃっ! ふわぁっ、わっ、ふわあぁぁっ! おかしく、おかしくなっちゃうっ、私、へんになっちゃうよぉっ! ふわあああぁっ!!」
 獣の触手を濡らす粘液に催淫効果でもあったのか、ついさっきまで処女だった少女が悲鳴じみた声を上げて身悶える。ぐるっ、ぐるるっと低く唸りながら、人間のものとは比べものにならない巨大なもので少女を刺し貫き、犯していく獣。触手が伸びて少女の肩を引き起こし、地面から離れた大きな胸を別の触手が嬲る。触手が乳房に絡みついて歪ませ、つんっと立った乳首を転がす。
「ひいっ、あっ、あひいいぃっ!! 変に、変になるっ、ひああああぁっ! 私、壊れる、壊れちゃう……ふわあああぁんっ!」
 甘い叫びを上げて身体を震わせ、身悶える少女。意外と短い時間で獣が少女の胎内へと精を吐き出し、絶叫を上げて少女は二度目の絶頂に導かれた。ふっと見開かれた目から焦点が消え、意識を失ってがっくりと顔を伏せる。

「あ……あう、あ……お、お腹が、痛いよぉ……」
 少女が『山神の花嫁』となってから一週間。獣の手によって洞窟の奥深くに連れ込まれた少女は、ごろんと無造作に地面の上に転がされていた。手足がしびれ、まったく身動きの出来ない状態で一週間……その間、食事も排泄もしていないのに少女の身体はまったく衰弱する様子を見せない。ただ、その僅か一週間で、臨月を迎えた妊婦のように大きく彼女の腹は膨れ上がっていた。
「お腹が……ああっ、痛い……。だ、誰か……助けて……」
 弱々しく頭を振りながら、少女が助けを求める。だが、その声を聞くものはいない。少女をここへと連れてきた獣は、彼女の身体を地面に横たえると自らもどさっと地面に崩れ落ち、みるみるうちに灰と化してしまったのである。今、この場にいるのは彼女一人だ。
「あっ、あぎぃっ!?」
 じわじわと強さを増していく腹の痛みに、額に油汗を浮かべて弱々しく頭を振っていた少女が、不意に強まった痛みに叫び声を上げる。ぼこん、と、内側から突き上げられるように大きく膨れ上がった腹が波打つ。(挿絵)
「ぎっ、あっ、ぎいぃっ!? お、お腹が、裂ける……!」
 ぼこん、ぼこんと、内部から突き上げられるように少女のまんまるに膨れ上がった腹が波打つ。目を見開いてのたうつ少女の口から、次の瞬間絶叫があふれた。
「ウギャアアアアアアアァッ!!」
 べりべりべりっと少女の腹を内側から引き裂き、獣が血まみれの顔を覗かせる。絶叫を上げる少女の腹の中から自らの身体をゆっくり引きずり出すと、血まみれの獣はぶるんぶるんと大きく震える少女の乳房へとかじりついた。
「ぐぎゃあああああああぁっ! た、食べてる!? わ、私を、食べてる……!? ぎゃあああああぁっ!」
 乳房をかじり取られた少女が信じられないというように呟き、獣が更に鮮血をほとばしらせる乳房へとかじりつく。再び絶叫を上げる少女。獣を振り落とそうと身をよじるのだが、全身にはほとんど力が入らず、わずかにぶるんぶるんと巨乳が震えるだけだ。その震える乳房へと、更に獣が食らいつく。(挿絵)
「ぎゃあああああぁっ! 駄目っ、食べちゃ、駄目っ! ぐぎゃああああぁっ!」
 絶叫を上げて頭を振り立てる少女。ゆっくりと、何度にも分けて彼女の巨乳が獣にかじり取られ、消えていく。のたうつ少女が流す血の臭いが、周囲にむっとたちこめた……。