コンクリートが剥き出しの、殺風景な尋問室。そこに四人の男女がいた。隙なく軍服を身に着けた一組の男女。そして粗末な貫頭衣風の衣服を着せられ、椅子に拘束された四十歳前後の女性。最後の一人は十代半ばの少女だが、こちらは床の上に置かれた木製の台の上に全裸で大の字に拘束されている。台、といっても普通の台ではなく、女を寝かせている上面部分が大きく傾いているものだ。傾斜の角度は45度ほどか。頭を下に、足を上に拘束された少女が不安と恐怖に表情を強張らせてきょろきょろと周囲を見回している。
「さて、まずは、名前ぐらいは聞かせてもらおうか」
軍服姿の男--大神が低い声でそう椅子に拘束された女に問いかける。ふん、と、小さく鼻を鳴らし、女が顔を背けた。単に虚勢を張っているだけなのかもしれないが、とりあえずその表情に恐怖の色はない。
「黙秘か。そんなものが通用するとでも思っているのか?」
「……」
「あくまでも喋らないというなら、痛い目に遭ってもらう。早めに喋ったほうが、いいと思うがな?」
「……」
「そうか」
あくまでも顔をそむけたまま無言を貫く女の態度に、さして落胆した様子も見せずに大神は台に拘束された少女の方へと足を向けた。コツ、コツ、コツ、と、殊更に高く靴音を立てて歩み寄ってくる大神に、ひっと少女が息を呑んだ。
「お前の名は?」
「ひっ……あ、あの……」
低い声で問いかけられ、少女がおどおどと視線を彷徨わせる。少女に視線を向けられた女が、ぎりっと奥歯を噛み締めた。
「……その娘は、何も知らない。どんなに痛めつけられたって、知らないことは喋れないだろう? 無駄なことはやめなよ」
押し殺した声で女がそう言う。くっと唇の端を歪め、大神が邪悪な笑いを浮かべた。
「何も知らない、か。では、殺したところで何の問題もないわけだな」
「っ!? な、何だって……!?」
「我々が欲しいのは、お前たち反抗組織の規模、拠点、そして計画といった情報だ。こちらの望む情報を持っていない人間、というのであれば、死んだところで痛くも痒くもない」
あからさまに動揺の色を浮かべる女に対し、彼女の背後に立っている柔和な笑みを浮かべた軍服姿の少女--華蓮が優しい口調で囁きかけた。
「別に、あなた方を何が何でも拷問したり、処刑したりする必要はありません。あなたが素直にこちらの質問に答えてくれれば、その情報と引き換えに生命を助けてあげてもいいんですよ?」
「あたしに、仲間を売れって言うのかい!?」
「喋りたくないなら、別にそれはそれでかまわん。まずはこの娘、次にお前を痛めつけ、喋りたくなるようにするまでだ。最初は威勢のいいことを言う奴も多いが、最後まで口を割らずにいられた奴はいないからな。こちらとしては、早いか遅いかの違いだけだ」
女の叫びを鼻で笑い、大神がそう言う。ぎりっと奥歯を噛み締める女とは対照的に、少女のほうは顔面蒼白になってがたがたと震えている。
「下衆がっ! 地獄に落ちろっ!」
女の叫びを再び鼻で笑い飛ばすと、大神は視線を華蓮のほうへと向けた。困ったような表情を浮かべて、華蓮が女へと囁きかける。
「話してくれませんか? あなたはともかく、娘さんは何も知らないんでしょう? そうなると、本当に殺されてしまいますよ? それも、酷くむごたらしく。あなたが仲間を売りたくない、という気持ちはよく分かります。ですけれど、このままでは娘さんが……」
「もういい、曹長。口で言っても分からない相手には、身体に教えてやるまでだ。準備しろ」
華蓮の言葉を大神がいらただしげに遮り、びくっと身体を震わせて華蓮が顔を上げる。腕を組み、とんとんと軍靴の爪先で床を叩く大神の姿に華蓮が表情を歪めた。
「了解、しました」
苦渋の表情でそう応じると、華蓮が棚に向かう。女がぎりっと奥歯を噛み締めて視線を下げた。
棚に向かった華蓮が、拳大のフラスコを取り出し、潤滑油をその表面に塗りつける。華蓮からそのフラスコを受け取ると、大神はにやりと笑って見せた。
「恨むなら、頑固な母親を恨め」
「ひっ、ひいいぃっ」
少女の股間へと指を伸ばし、割れ目を押し広げながら大神が笑う。掠れた悲鳴を上げ、いやいやをするように少女が首を左右に振りたてた。ぎゅっと爪が掌に食い込むほど強く拳を握り、女が身体を震わせる。
「娘は、何も知らない! お前らが知りたいことを知ってるのはあたしだけだ! 痛めつけるなら、あたしだけにしろ!」
「心配するな、この娘は死ねば次はお前の番だ。今は大人しく、自分がどういう目に遭うか見てるがいい」
女の血を吐くような叫びに笑いながらそう応じると、大神はフラスコを少女の秘所へと触れさせた。冷たい感触に、少女が悲鳴を上げてもがく。
「やっ、やぁっ、やだぁっ! 助けて、母さんっ、助けてっ!」
「話してください、お願いします。そうすれば、娘さんもあなたも、助かるんですよ!?」
甲高い悲鳴を少女が上げ、華蓮が懇願する。ぎりっと奥歯を握り締め、女は視線を逸らした。
「……ふん、喋る気はない、ということか。いい母親を持ったものだな。実の娘より仲間のほうが大事と見える」
大神の嘲笑に、女の身体がぶるぶると震える。だが、それでも女が何も喋るつもりはない、と見て取り、大神はフラスコを握る腕に力を込めた。ずぶっと、フラスコが少女の秘所の中へと捩じ込まれる。
「ヒッ、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァッ!!」
少女の絶叫が部屋の中に響く。女が身体を震わせて涙を流し、血が流れるほど強く拳を握る。拳大のフラスコを秘所に捩じ込まれる激痛に、びくびくと身体を痙攣させながら少女が絶叫する。
「アガッ、ガアアアアアアァァッ! ザケ、ルッ、アガアアアアアァッ、ザゲ、ギエエエエエエエエエエエエエエェェッ!!」
経験の豊富なものであっても、拳大の大きさを持つフラスコなどを秘所に捩じ込まれれば激痛を感じる。ましてや少女の年齢を考えれば、まだ処女か、そうでなくてもほとんど男性経験などない身体だろう。身体全体を引き裂かれていくような激痛に、舌を突き出し、半ば白目を剥いて少女が濁った叫びを上げる。
「うっ、ううっ、ごめん、ごめんよ、けど、あたしは……うぅぅっ」
女が辛そうに呻く間にも、大神は少女の秘所の中へとフラスコを捩じ込んでいく。狂ったように絶叫を続ける少女の下腹部が、内側からフラスコによって押し上げられ、ぽっこりと膨れる。当然、こんな無茶をされた秘所からは鮮血があふれ出し、台を真っ赤に染めていた。
「グアアアアアアアアアアアアアアァァァッ!!」
ずぶっと完全にフラスコを飲み込まされ、少女の口からとても彼女が上げたとは思えない濁った絶叫があふれた。ふんっと鼻を鳴らすと、大神がつかつかと椅子に拘束された状態でうなだれている女の元へと歩み寄る。無造作に手を伸ばし、彼女の髪を掴むと大神は強引に顔を上げさせた。
「これが、お前が詰まらん意地を張った結果だ。まだ意地を張るというなら、これ以上の苦痛が彼女を襲う。どうする? 質問に答えるか、それともまだつまらない意地を張るか。どちらでも好きなほうを選ぶがいい」
冷徹な口調で大神がそう言い、ぎりっと女が奥歯を噛み締める。はっ、はっ、はっと舌を突き出して喘ぐ少女の姿から辛そうに視線を逸らす女の頬を張り飛ばすと、大神は視線を華蓮のほうに向けた。
「目を逸らせないよう、抑えておけ」
「は、はい……」
躊躇うように頷いて、女の下へと歩み寄った華蓮が、辛そうな表情を浮かべて彼女へと囁きかけた。
「少尉は、本気です。早く自白しないと、娘さんが取り返しのつかないことに……」
「くっ……!」
華蓮の手によって頭を押さえつけられ、まぶたを広げられた女が呻く。殊更に靴音を高く立てて少女を拘束する台へと歩み寄ると、大神は足を上げ、フラスコを飲み込まされてぽっこりと膨れ上がった少女の下腹部をゆっくりと踏みつけた。
「あっ、ああっ、あぐううううぅぅっ」
下腹部を踏みつけられた少女が苦しげな声を上げる。ぐりぐりと少女の下腹部を踏みにじりながら、口元に笑みを浮かべて大神は女のほうへと視線を向けた。
「この中には、硫酸を満たしてある。このまま踏み砕けば、どうなると思う?」
「あ、あんたっ……! 本気で、そんな酷いことをする気かいっ!?」
「無論、本気だ。もしかしたら痛みのあまり死ぬかも知れんな。まぁ、そうなったところで別に惜しくはない」
にやりと口元を歪めると、大神が足を上げる。痛みに朦朧とした意識の中でも大神の言葉が聞こえていたのか、顔を懸命に上げて少女が大神の顔を凝視する。
「やぁっ、やめてっ、やめてえぇっ! そんなことされたら、あたし、死んじゃううぅっ!」
「やめて欲しければ、こちらの質問に答えることだな。そうすればやめてやるとも」
「知らないっ、あたしは何も知らないんですぅっ! 本当です、信じてくださいっ!」
目にいっぱいに涙をため、少女が絶叫する。ふむ、と、小さく頷くと大神が再び視線を女のほうに向けた。
「さて、どうする? この娘が何も知らないというのであれば、こちらとしては別に生かしておく価値もない、ということになるが」
「イヤッ、イヤあああああぁっ! 助けてっ、母さんっ、助けてぇっ! あたし、まだ死にたくないいぃっ!」
大神の言葉に、少女が半狂乱になって泣き叫ぶ。華蓮の手によって頭を押さえられ、目を逸らすことも許されずにその姿を見させられている女が、叫んだ。
「やめろっ! 痛めつけるならあたしを痛めつければいいだろう!? その子は何も知らないっ! 知らないんだっ!」
「だからお前が素直に喋れば、この娘もお前も、助けてやるといっている。喋るか、喋らないか、それだけを答えろ」
素っ気無くそう応じると、反応を窺うように大神が女のことを見つめる。ぎゅっと、唇の端を食い破るほど強く唇を噛み締め、沈黙する女の姿に大神は軽く肩をすくめ、上げていた足を勢いよく踏み下ろした。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアァァッ!! アギャっ、ギャッ、ギャギャギャッ、グギャアアアアアアアアアアアアアアァァッ!! ウッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァッ!!」
粉々に砕けたフラスコの破片に柔らかく敏感な秘所の粘膜を切り裂かれる激痛と、中に満たされていた硫酸に粘膜を焼かれる激痛。女の身体の中でも最も敏感な部分ではじけた二つの激痛に、少女がかっと目を見開き、手足を拘束するベルトを弾き飛ばさんばかりの勢いで身悶えながら濁った絶叫を上げる。しゅうしゅうと白煙をあげる秘所から後から後から鮮血があふれだす。
「ああっ、ああああぁっ! この、悪魔っ!」
こちらも、拘束具を弾き飛ばさんばかりに激しく身悶えながら、女が絶叫する。ふん、と、鼻を鳴らすと、大神は再び少女の下腹部を踏みつけ、踏みにじった。
「グギエエエエエエエエエェッ! アグッ、アグアッ、グアアアアアアアアアアァァッ!! グギャアアアアアアアアアアアアァァッ!! アヅイッ、アヅッ、ギャアアアアアアアアアアアァァッ!!」
更にガラスの破片が細かく砕け、より深く粘膜に食い込む。あふれた血と硫酸が反応し、発熱して更に苦痛を高める。発狂せんばかりの激痛に、少女が泣き喚く。
「アガッ、ガッ、グガアアアアアアアァァッ! ダズゲ、デッ、ジン、ジャウウゥッ! ギャアアアアアアアアアアアアアアアアァァッ!!」
げし、げしと、少女の下腹部を時折踏みつけながら、大神が視線を女のほうへと向ける。絶え間なく襲い掛かる痛みが、大神に踏みつけられるたびに強さを増し、少女のことを責めさいなむ。
「やめてっ、もう、やめてっ! 話すからっ、何でも話すからっ!」
絶叫を下て身悶える娘の姿を、何も出来ずに見せ付けられ続けることについに耐え切れなくなったのか、女がぼろぼろと涙を流しながらそう叫ぶ。少女を踏みつけていた足を止め、大神が軽く肩をすくめた。
「ふん、最初から素直にそう言っておけばいいものを。曹長、こいつの手当てをしてやれ」
「はい、少尉」
激痛のあまり口から泡を吹き、ひくひくと全身を痙攣させている少女の戒めを外し、華蓮が部屋の外で待機していた兵士に声をかけ、外へと運び出させる。すすり泣く女の髪を掴んで顔を上げさせると、大神は冷たい口調で尋問を開始した……。
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