その2、処刑


 次の日の昼、人知れぬ、不気味な森の中を歩いていく一群の人の姿が有った。先頭に

立つのは赤蠍、その後をヒョコヒョコ歩いているのはあの一寸法師、続くのは偽探偵を

初めとするその手下たちだ。いいや、彼らたちだけではない。手下たちは3人ほどで大

きなズック袋を抱えている。そしてその袋は時折かすかに苦しそうな悲しそうな呻き声

を上げ、巨大な芋虫のように蠢いている。「どうだい、お嬢さんは静かにしているかい。

」「大丈夫でさぁ、あんだけ嬲り物にされりゃあ、もうぐうの根だって出やしませんぜ。

」赤蠍の問に、偽探偵が残忍な笑いを浮かべて袋をつつきながら答える。やがてその一

隅にある森以上に不気味な沼地のほとりに到着した赤蠍たちはそのズック袋を地面に降

ろし、口を閉じている紐を解く。そしてその中から現われたのは、そう、全裸のまま後

ろ手に縛られ、両足首もまた一つに縛り合わされ、口に厳重な猿轡をはめられた18歳

の美しい令嬢、相川珠子の無残な姿だった。

 袋から引き出された珠子は、思いもよらぬ森の中の光景に戸惑いながらも、いよいよ

最後の場所、自分を処刑する場所に連行されたのではないか、そんな恐ろしい予感に美

しい目を涙で一杯にし、ひたすら哀れみを乞うように残忍な赤蠍を見上げて、しなやか

な裸体を細かく震わせている。そんな珠子の美しい顔には彼女の清楚な美しさを際だた

せるよう薄く化粧が施され、初々しいセミロングの髪は綺麗に整えられ、指には透明の

マニキュアやペニキュアまでも施され、それは期待通り珠子の哀れさと無残さを際立た

せている。そして彼女の予感は不幸にも的中している。「ふふ、お嬢さん、長い間窮屈

な思いをさせて済まなかったな。だがこれも前のような邪魔が入らないためだからどう

か勘弁してくんな。ところで今日こそお嬢さんとの約束を果してやるぜ。」赤蠍がそれ

だけいって、そんな珠子の顎を摘み上てねじ向けたその先には、一本のキの字型の磔柱

が沼の中に突っ立っている。

 それにはまだ何も縛り付けられていないが、赤蠍たちの意図は明らかだ。この柱に珠

子をこれから手足を大の字に広げて縛り付けようというのだ。そして残酷になぶり殺し

にするつもりなのだ。しかしそれにしても何という不気味な沼地なのだろう。沼とはい

えどんよりと濁った水がわずかにあるだけで、ほとんど青黒く汚らしい泥濘があるばか

りだ。水草さえもほとんどなく、泥と藻のようなものがもつれあい、それがこの沼地を

一層汚らしくしている。

 この人たちは自分をどうするのだろう。最初意図したように、これに縛り付けた自分

を槍で刺し殺す気なのだろうか。それならなぜこんな処まで自分を連れてきたのだろう。

恐怖と不安に慄く珠子の、その無垢で初々しい表情がまた赤蠍逹の嗜虐心をそそらせる。

「ふふ、お嬢さん、あの磔柱をよく見るんだ。あれがお前さんの死に場所なんだからな。

」そして赤蠍は恐ろしさに磔柱を見る事もできず、縛られたままうつむいて泣きじゃく

り始めた哀れな令嬢の口から猿轡を外すと、髪を掴んで顔を引き起こし、磔柱を見せつ

けながらあの陰惨な声で、楽しくて堪らないように言う。「ねぇ、ここからはあたいに

説明させておくれでないかい。」しかしここであの一寸法師がねだるように赤蠍に言う。

「いいだろう、家元のお嬢さんに自分がこれからどんな目にあうのか、じっくりと教え

てやりな。」

 「今、あの磔台の立っている沼にはね。あたいがずっと前に肉食性のミミズを放して、

餌として馬やら牛やらの死体を放り込んでたくさんに増やしてあるんだよ。普段は死体

の腐肉を喰らってるんだけども、珠子ちゃん。あの磔柱にお前のその美しい体を、もち

ろん足をおっ広げ大の字に縛り付けたらどうなると思う。なにせミミズだから牛や馬も、

こんなに可愛いいお嬢ちゃんも見境ないよねぇ。」「やめて…やめてください…ああっ

…おねがいやめて…。」珠子はもう涙声になって許しを乞うが、もちろん容赦はない。

一寸法師はいよいよ嬉しげなニタニタ笑いを浮かべ、珠子のあごをなでながらしゃべり

続ける。「やめてだって、面白いのはこれからなんだから、ようくお聞きよ。ミミズっ

て割と嗅覚鋭いからね、お嬢ちゃん。肉の臭いを嗅ぎ付けるとあの磔柱をよじ登ってお

前の体にたどり着くとまず、ここ、この散々男たちに可愛がって貰った花芯や肛門にく

らいつくのよ。」そういうと一寸法師は珠子の花芯を撫で上げ、哀れな令嬢はヒイイィ

ーイッと声を上げ縛られた体をのけぞらせる。

 「女の急所をここのミミズどもがジワリジワリ食い荒らすんだからさぞや痛いだろう。

でもまだまだ序の口さ。この肌を、次に脂肪を、そして肉を食い破って、ついには内臓

をじわじわ蝕んでいって、その時はさぞお嬢ちゃん、さぞ苦しいだろうね、痛いだろう

ね、辛いだろうね。しかしミミズもヒィーヒィー言って泣き叫ぶお前の体を小さな口で

貪らないといけないから大変だよ。でも大丈夫、沼にはミミズはいくらでもいるからね。

次々に磔柱を上ってきたミミズは、お嬢ちゃんの股間に最初ミミズの開けた穴から潜り

込むのもいるだろうし、下腹部から腹、胸へと這い上って外側から所構わず食い付くの

もいるだろうし、ひひっ、お嬢ちゃん、お嬢ちゃんは全身を無数のミミズに内側と外側

からじわじわ食い荒らされるんだよ。そしてたっぷりヒィーヒィーギャーギャー泣き狂

い悶え狂って、狂い狂って狂い死ぬんだよ。」一寸法師は必要以上にネチネチと、縛ら

れたままの哀れな令嬢に彼女自身の死に様を説明する。この低能の悪魔は処刑前に、そ

の苦痛と恐怖を詳しく説明することで、残酷に美しい犠牲をいたぶり苛んでその残虐な

嗜虐心を煽り立てているのだ。珠子はいやいやをするように首をふろうとするが、赤蠍

もしっかり彼女の髪を捕まえて放さない。そのため彼女は可哀想に、恐怖の余り声も出

せず、しかし目は恐ろしい磔柱に釘付けになったまま、ガタガタ震えながら一寸法師の

残酷な言葉を聞くばかりだ。

 そう、珠子は最初の夜、向島の化物屋敷で磔で殺されれば良かったのだ。もしあそこ

で殺されていれば地獄のような拷問や凌辱もなく、晒し者になるとはいえ、ただ磔台に

縛り付けられて胸を槍で抉られるだけで殺されて済んでいたのだ。それをなまじ助かっ

たばかりに散々辱められ、責め苛まれたあげく、ここでこうして磔にされ、しかも全身

をミミズに食い荒らされるという、聞いたことさえない恐ろしい方法で嬲り殺にされね

ばならないのだ。でもミミズに食い殺されるって本当にそんなことができるのだろうか。

もしかしたらこうやって、あの化物屋敷の時のように、自分を苛め苛んでいるのではな

いかしら。そんな疑問が極限の恐怖に震える令嬢の胸の中に沸き起こる。

 「ふふっ、本当はこの沼はもっと後の犠牲に使うつもりだったんだけど、あの磔がだ

めになったらもう今のご時世に磔人形なんか滅多にありゃあしない。それに一昨日投げ

込んでおいた馬の死体がああなっちゃってたから、そろそろ人間で試すのも良いかなっ

て思ってね。」一寸法師が言うと、沼の一角を指し示す。とそこには巨大な動物の死体

がほとんど骨になりかかり、しかしまだかなりたくさん残っている肉や内臓には、細長

く赤黒くぬらぬらする生き物が、そう20センチは有りそうな巨大なミミズがびっしり

と群がっている。「ふふっ、これでここのミミズたちがどんなものか良く分かったろう、

お嬢ちゃん。お嬢ちゃんはあのミミズたちに、そのきれいな体を生きたまま全身をじわ

じわ食い荒らされるんだ。そして三日もすればあの通り、大の字に磔になったきれいな

しゃれこうべだよ。」これだけ言うと、赤蠍は楽しくてたまらないように咽喉の奥で笑

い声を上げるが、可哀想に、哀れな令嬢は一寸法師の言うことなど聞いてはいなかった。

珠子はついに恐怖に耐えきれず、がっくりと首を垂れ失神してしまっていた。

 しかしすぐに赤蠍は磔にするために珠子を縛った縄をほどくと、多量の強壮剤を注射

して哀れな犠牲の意識を回復させる。「ああ…ヒイイィーイッ…ヒィッ…助けてぇーっ。

」哀れな令嬢はしばらくぼんやりとしていたが、手足の縄がほどかれているのをしると

泣き叫びながら自分を抑えつける手下の手を払い除ける。しかし逃げようとするその足

はすぐ偽探偵に払われ、珠子は無残に地面に転倒してしまう。「へへ、お嬢様、裸で一

体どちらへいかれますか。」そして偽探偵が嘲るように言いながら、起き上がろうとす

る令嬢を背後から羽交締めにする。「ヒイイイィーイッ…ああっ…そんな…そんなこと

どうして…助けてぇーっ、ミミズ…ミミズに食べられるなんていや…死ぬなんていや…

助けて…珠子を助けてぇーっ…いやだぁーっ。」さらに珠子を磔にするために手下たち

の手が悶え泣く彼女の体をとらえ、珠子の哀願と悲鳴は一層哀切さを増す。

 「ヒイイィーイッ…ヒイイィッ…いやぁーっ…お願いミミズ…ミミズに殺されるなん

て…死にたくない、ああっ…死にたくない…死ぬなんていやだ…いやぁーっ。」彼女は

哀れな声で泣き叫び全身をよじらせのた打ち回らせるが、それもただ残酷な悪魔たちの

目を楽しませるだけだ。「そうそうもっと泣き叫べ。泣けるのも今の内だ、お嬢さん。」

「ふん、誰が助けになどくるものか。お前の綺麗な肌がもうすぐ血でまっ赤に染まるん

だ。」「蛇やら犬やらに犯されて殺してくれって喚いてたのは、どこのどなただったっ

け。」手下たちもそんな珠子を嘲りながら、寄って集って屠殺所に引かれる子羊のよう

な令嬢を半ば引きずるように、キの字型の磔台の根本に連行していく。

 その磔柱で自分がミミズに食い殺されるのだと思うと、珠子の恐怖、絶望は気も狂わ

んばかりだ。「ヒイイイィーイッ…いやぁーっ…こんな…こんなのいやぁーっ…死にた

くない…死ぬなんていやです、お父さま助けてぇーっ…ああ…ああっ…こわいよぅ…何

でもします…だから助けてぇーっ…お願い助けてぇーっ。」珠子は地面にしゃがみこみ、

美しい顔をこわばらせ死に物狂いで暴れのた打ち、手下たちの手を振り払おうと四肢を

よじらせ泣き狂い哀願する。しかしか弱い深窓の令嬢がどんなに暴れても、男達の力に

かなう訳がない。もちろん哀願など何の役にも立たず、逆に美しく慎み深い令嬢が恐怖

と絶望に身も世もなく泣き狂いのた打つ姿ほど、この悪魔たちをそそらせるものはない。

「相川珠子十八歳、その方、淫乱の罪によりこれより磔を申し付ける。」偽探偵は江戸

時代の役人のまねだろう、そんな珠子の髪をつかんで顔を引き上げ厳しい口調で申し渡

し、手下たちの間から笑いが起こるが、哀れな娘は相変わらず無残に泣き叫び、いやい

やをするように必死で顔を左右に振り続ける。

 手下たちはまず磔柱を一旦地面に倒す。「さあお嬢様、おとなしく磔柱の上にねんね

するんだ。」「後は俺達が手足を大の字に広げて縛り付け、たくさんのミミズが餌を待

ち兼ねている沼の中に立ててやる。」「キャアアアーアッ…いや…ヒイイィーイッ…お

願い助けて…お兄さま助けてぇーっ…死にたくないよーっ。」そして子どものように泣

き狂い、死に物狂いで暴れる珠子の体を磔台の上に横たえ、手下達総がかりでいよいよ

死に物狂いで暴れのた打つ犠牲の体をしっかりと抑えつける。そしてしなやかな手を左

右に広げて磔台の横木に押し当てると、まず美しい掌に五寸釘を打ち込み、哀れな令嬢

の体を釘付けにする。「ギャアアーアッ…痛いーっ…ヒィッ…ヒイイィーイッ…助けて

…痛いーっ、ああっ…ミミズ…ミミズなんていやだ…死ぬのはいやだぁーっ。」掌を釘

付けにされる乾いた音とともに珠子の口からいよいよ悲痛な声がほとばしる。哀れな令

嬢はいよいよ必死でのたうち、手足をばたつかせ抵抗するが、彼女の掌を釘付けにした

男達は、珠子の体がずり落ちないよう彼女の美しい乳房の上下を菱縄で磔柱に縛り付け

ると、続いて必死で捩り合わせる腿を割裂くように足を大きく広げ、磔柱の下の横木に

縛り付ける。「いやだぁーっ…ヒイイィッ…ヒイイイィーイッ…ミミズに食べられるな

んて…そんなのいやだ、ああっ…助けてぇーっ…何でも…何でもするから助けてぇーっ。

」そして死の恐怖、それも無数のミミズに食い殺される恐怖に一層無残に悶え泣く相川

珠子という美しい犠牲を全裸のままキの字型の磔台に手足を大の字に広げて磔にすると、

手下達は掛け声とともに磔柱をもとのように立ててしまう。

 今やその磔柱には、美しい肢体を余す処なくさらし無残に泣き狂う、美しい令嬢相川

珠子が高々と大の字に打ち付けられている。「ああっ…ヒイイィーイッ…助けてくださ

い…どうして…どうして私こんな目に…お願い助けてぇーっ、お願い殺さないで…何で

も…ああ…ああっ…何でもします…本当です…お願い助けて…。」そうして珠子はさら

に無残に、哀れに、蒼白になり、がっくりとうなだれて泣きじゃくり哀願を繰り返す。

一方、赤蠍たちはそんな珠子の、苦労して手に入れてたっぷり責め苛み弄んだ美しい獲

物の余りに無残な姿を食い入るように見詰めている。均整のとれた珠子は、しなやかな

四肢を大の字に広げ、初々しい色香に溢れる裸体を余す処なくさらして磔にされてもや

はり、と言うよりむしろそれだけ一際美しい。

 しかも彼女の掌には五寸釘が打ち込まれ、指が苦痛に宙を掻き毟っているのだ。想像

を絶する恐怖と苦痛、屈辱に打ちのめされ、ぐったりとなったまま可憐な頬に美しい涙

を次々に溢れさせて、三尺高い処から見開いた瞳で必死で哀れみを乞い、許しを求めて

いる。それに数々の責めと凌辱を受けた珠子の瞼は涙に泣き腫らし、木目細かな白い肌

には無数の赤い条痕が刻まれ、そして恥ずかしい処を覆うべき下腹部の茂みは完全に姿

を消し、秘部も肛門も全てむきだしになっている。そしてその一つ一つが、磔になった

聡明で清純で美しい令嬢の姿をより無惨にし、凄絶なまでに美しい。もうすぐこの美し

い犠牲は全身を無数のグロテスクなミミズに食い荒らされ、血みどろになってのた打ち

回った挙げ句、凄まじい苦痛に苛まれながら嬲り殺しに殺されるのだ。そう思うと彼ら

の興奮はいやが上にも高まってくる。そして一寸法師は、興奮に耐えかねたようにあの

地獄の底から聞こえてくるような安来節を唄い始める。

 「ううっ…許してください…お願い許してぇーっ…何でもします…何でもするから…

だから…だから助けて、ああっ…ヒイイイィーイッ…怖いわ…お願い殺さないで…死ぬ

のはいやだ…ああっ…ああ…絶対にいや…いやぁーっ。」一方、全裸のまま大の字に釘

付けにされた珠子はいよいよ激しさを増す、頭が破裂しそうな恐怖と羞恥、苦痛に恥も

外聞もなく命乞いをし、哀願し、泣き喚いている。全身をミミズに食い荒らされるのは

どんなにどんなに痛いだろう、苦しいだろう、この人たちは何の罪もない自分をどうし

てこんな恐ろしい方法で処刑するのだろう。死にたくない、死ぬのはいやだ、あんなに

猥らな姿をさらしていても、犬や蛇に犯されていてもやっぱり死にたくない、もっとも

っとやりたいこともたくさんある、彼ともっともっと会いたい、お父様、お兄様助けて、

神様助けて、死にたくない、神様助けて、そんな思いがまだ十八歳の娘の胸を嵐のよう

に駆け巡り、気も狂わんばかりに責め苛む。普段の珠子なら恐怖のためにとっくに悶絶

していたろう。しかしさっきの強壮剤注射のため、美しい犠牲は気を失ってこの恐怖か

らのがれることもできない。

 しかしその様はただ残忍な悪魔たちをそそらせるばかりだ。「このミミズ、結構嗅覚

が鋭いから…ほら、下を見てご覧。もう餌の臭いを嗅ぎ付けて、磔台を登り始めてるよ。

」一寸法師の言葉に目を開けた珠子は、体長2、30センチある不気味なほどの赤い色

をしたミミズが自分の股間をめがけ、既に磔柱をまっ赤にして登ってきているのを発見

する。「ヒイイイィーイッ…いやぁーっ…ああ…ミミズ…ヒイィッ…助けて…ミミズは

いやぁーっ、許してください…何でもします…本当です…ああっ…お願い許してぇーっ。

」それをみた途端、ぐったりとなっていた珠子は悲痛な悲鳴を上げながら、少しでも体

を持ち上げようとするかのようにのたうちまわる。さらには彼女の股間から失禁した尿

がほとばしり、残忍な悪魔たちは手を叩いて哄笑する。しかし発狂しそうな恐怖に苛ま

れる珠子には、その笑い声さえ聞こえない。

 「ふふ、このミミズたちはさっきこいつが言ったとおり肉食性だからな。もうすぐこ

のミミズたち、珠子さんの股間に達するぜ。そしてミミズはお前の肉を大事な処からじ

わじわと蝕んでいって、そして最後には可哀想に、珠子は磔になった白骨にされるのさ。

」これがこの悪魔たち共通のくせなのか、赤蠍は泣きじゃくりのた打つ珠子に嘲るよう

にねちねちと言い、そんな哀れな令嬢をいたぶり苛む。「キャアアアーアッ…ああ…い

やだぁーっ…ああっ…何でもします…助けてぇーっ、そんな…ああっ…ああう…死ぬの

はいやっ…絶対に…絶対にいやぁーっ。」しかし泣きじゃくる珠子はその言葉も耳に入

らないかのように、無残に泣き叫び身悶え哀願を繰り返す。しかしそんな珠子の股間に、

ミミズはゆっくりと、そして確実に近づいていく。

 「ヒイイイィーイッ…助けてぇーっ…いや…助けて、ああ…あうう…死にたくない…

死にたくないよう…いやぁーっ。」珠子は残酷に殺される恐怖に、まるで子供のように

泣き叫ぶが、やがてミミズはついに哀れな美しい令嬢の体に達し、まず肛門から彼女の

体に侵入し始める。「ヒイイイィーイッ…いやぁーっ…ヒイイィーイッ。」ミミズが肛

門から腸の中にもぐり込んでくるおぞましさと恐怖だけでも、珠子は火の付いたような

悲鳴をあげる。しかしこんなものは処刑のうちにすら入らない。「ギャアアアーアッ…

ああっ…ああ…痛いーっ…助けて…痛いよーっ。」やがて珠子の口から凄絶な絶叫がほ

とばしり、大の字に縛り付けられた体が狂ったようにのたうちはじめる。ミミズどもは、

ある程度奥深く彼女の体内に侵入すると、直腸の内側に小さく細かい歯で噛み付いて徐

々に侵食し始めたのだ。そして珠子はそんなおぞましさなどと比較にならない、まさに

体を内側から蝕まれる激痛に悲痛な声で泣き叫びのた打ち回るが、これですらまだ処刑

の入り口に過ぎない。

 ミミズは次々に美しい令嬢の肛門ばかりか花芯にまでも侵入していく。そればかりか、

その敏感な繊細で肌に直接微細な歯の並んだ円形の口で食らい付き、じわじわと彼女の

柔らかな、女そのものを蝕み始める。「ウギャアアアーアッ…ああっ…グギャアアアー

アッ…ヒャアアーアッ…痛い…痛いーっ…グギイイィーイッ…誰か助けてぇーっ、ヒャ

アアーアッ…あぐぐ…アギイイイィーイッ…グヒャアアアーアッ…お願い助けて…お父

さま助けて…誰か助けてぇーっ。」珠子は一番恥ずかしい、一番敏感な処から食い荒ら

される凄絶な激痛と恐怖に美しい顔を痛々しく歪め、人間のものとは思えない獣地味た

声で絶叫し、大の字に縛られた体をのけぞらせ、前に折、手足が捩じ切れんばかりによ

じらせてのた打ち回って苦悶する。細くしなやかな指が必死で空を掻き毟り、広げられ

て縛られている両足が無残に引きつり、その爪に清楚な透明のマニキュアが施されてい

ることが彼女の痛々しさをさらに際立たせる。

 しかし続々と柱を這い上がってくるミミズたちは、さらに珠子の花芯から肛門、太腿

の付け根辺りの白く滑らかな肌まで一面に食い付き、肌を食い破ってじわじわ肉の中に

侵入していく。「ヒャアアアーアッ…痛いよーっ…助けて…ギャアアアーアッ…ウギャ

アアッ…ギィエエエーエッ…お願い痛いよーっ、助けて…グヒャアアアーアッ…何でも

するから助けてぇーっ。」珠子は下腹部を血みどろにし、自分の女の部分をめちゃくち

ゃに食い荒らされる凄絶な激痛にまさに狂ったように悶え泣く。もちろんミミズにとっ

て壊死した牛馬の肉も、日本中の憧れだった美しく慎み深い令嬢のしなやかな肢体も関

係ない。彼らにとっては獲物がどんなに必死で命ごいをし、無残に泣き狂おうと関係な

い。ただ目の前の肉の塊に盲目的に食らい付き、微細な肉を貪るばかりだ。そして赤蠍

も、一寸法師も、手下たちも、自分たちの美しい極上の獲物のそんな恐ろしく無残な、

そしてそれだけに彼らには予想以上に魅惑的な姿に目を獣のように輝かせている。

 こうして無数のミミズにより、珠子の初々しい花弁も花核も、かっては少し濃い目の

若草に覆われていた恥丘も、そして肛門までも滅茶目茶に食い荒らされた、血と肉の塊

に変えられていく。もちろん既に肛門や膣の中に潜り込んだミミズたちは、女の処から

膣や腸を食い破り、哀れな令嬢の美しい体を内側から、内臓までもじわじわと食い荒ら

していく。さらに肌が食い破られると、その傷口から新たなミミズどもが彼女の体の中

に侵入し、手近にある子宮や卵巣、膀胱や腸などの内臓をゆっくりと、しかし手当り次

第に食い荒らし、珠子に地獄そのものの苦痛と恐怖を味合わせる。いっそライオンのよ

うな猛獣に一気に喰い殺されていれば、珠子はよほど幸福だったに違いない。一匹一匹

では微細な殺傷能力しかないミミズであるゆえに、珠子は地獄そのものの苦痛と恐怖に

のたうたねばならないのだ。

 しかもミミズは磔柱の根元を赤く染めて続々と上がってくる。その頃には、既に食ら

いついている無数のミミズのため、もう哀れな令嬢の股間には食いつく場所すらもなく

なっている。そのため磔台を這い上がってきた新たなミミズたちは、大の字に縛られて

泣き叫び、のた打ち、身悶える珠子の肌を下腹部から腹、さらには胸、乳房へと続々と

這い昇りつつ食い付き、美しい令嬢の全身を血みどろに染めあげていく。「ギャアアア

ーアッ…グギャアアーアッ…ああっ…痛いよーっ…ヒイイィーイッ…悪魔…お父さま助

けて…悪魔ぁーっ、ヒィエエエーエッ…キイイィーイッ…もうだめ…死ぬのはいや…う

ああ…ウギャアアアーアッ…お願い死にたくないよう…いやだぁーっ。」全身を内と外

からミミズにゆっくりと、残酷に食い荒らされる美しい令嬢の、とても人間の物とは思

えない絶叫と、ミミズをまとわりつかせた肢体の苦悶はいよいよ凄絶さを増す。珠子が

いかにもおとなしそうな、日本人形のような美しい令嬢だけに、その様は一層凄惨なま

でに美しく、赤蠍や一寸法師たちの目と耳を存分に楽しませるが、彼女はまだまだこの

残忍な観客達を楽しませねばならない。

 「ぐああ…ギィエエーエッ…苦しいよぅ…ギャアアッ…ギャアアアーアッ…痛いーっ

…痛いーっ、ウギァアアーアッ…ああっ…あぐぐ…誰か…誰か助けてぇーっ。」そして

30分後、珠子は相変わらず無残に泣き狂い、絶叫を繰り返していた。彼女のミミズが

無数にまとわり付いている腹は、既に体の内側に侵入している無数のミミズどものため

にグロテスクに盛り上がり、さらに体内でミミズが動く度、まるで別の生き物のように

ひくひくと引きつる。彼女の体内では子宮も、膣も、卵巣も、肝臓や胃や腸などまでも、

無数のミミズ達にジワリジワリと、そしてそれだけに一層残酷に食い荒されているに違

いない。それは無数にいるばかりか、食い荒らす速度が極めて緩慢としているそのため、

この美しい、そして美しい以外何の罪もない令嬢はまさに美しいがゆえにまだまだ死ぬ

ことを許されず、狂ったように泣き叫び続けねばならないのだ。

 ミミズたちはなお、沼から湧きでるように磔台を這い登り、泣き狂う哀れな令嬢の体

に達すると、肌を這い登りながら、その場その場で小さな口で肌を、肉を穿ち彼女の体

の中に侵入し続ける。やがて珠子の腿や下腹部から腹にかけて、びっしりと食い付いた

ミミズに覆い尽くされ、それら一匹一匹が、まだ21歳の美しく慎み深い相川珠子とい

う令嬢の肉をじわじわ蝕む。その苦痛、その恐怖の凄まじさは想像にあまりある。「う

ぐぐ…お父さま…お父さま助けて…ヒイイイィーイッ…うああ…ウギャアアアーアッ…

苦しいよぅ…痛いーっ…苦しいーっ、ギィエエエーエッ…誰か助けて…キイイィーイッ

…ぐああ…死にたくない…死ぬのはいやだ…いやだ…。」気が狂いそうな激痛と恐怖に、

こんなに苛まれながらも、珠子は相変わらず死物狂いで泣き叫び、狂ったように身悶え

続ける。

 「ヒイイイィーイッ…ああう…ヒイイィーイッ…。」やがて珠子の一際高い絶叫とと

もに、余りに多くのミミズに蝕まれた彼女の下腹部は無数の傷口が一つになって肌が裂

けてしまう。そこから数十匹のミミズを潜り付かせたままの腸が地面にまで垂れ下がリ、

同時に珠子は背骨が砕けんばかりにのけぞる。しかしその裂け目からは柱を上ってくる

大量のミミズが侵入し、一層激しくこの令嬢の体を食い荒らし、珠子の泣き叫ぶ口から

は血泡まで溢れ出す。この頃になると体の中でミミズがうごめく度、哀れな令嬢の腹全

体がグロテスクに波打ち、さらに腹の内側から再び肌を食い破り、再び体の外に顔を覗

かせるものまでいる。

 そして沼の中から湧くように磔柱を這い上がり続けるミミズたちは、次々に肌の裂け

目や傷口から珠子の体内にもぐり込んで体の内側から食い荒らすと同時に、とっくにび

っしりとミミズに覆い尽くされた下腹部をあきらめ、ついには形の良い乳房にまで食い

付き始める。「うああ…ギィエエエーエッ…ヒィッ…ヒイイィーイッ…苦しいよう…お

父さま助けて、ヒイイィッ…ぐぐっ…死にたくない…お願い助けて…死ぬなんていや…。

」この頃にはもう全身ほとんどミミズの塊のようになっている珠子は、内と外から無数

のミミズに蝕まれるこの世の物とは思えない激痛に絶叫する力すらなく、ぐったりとう

なだれて弱々しく喘ぐだけだ。しかし赤蠍の手下どもが心臓や頚動脈などの急所を食い

破りそうなミミズは丁寧に棒で取り除くため、彼女はこんな姿にされても死ぬことすら

も許されず、地獄の責め苦に苛まれ続けている。しかもミミズはさらにその数を増して

いく。

 「うああ…助けてよう…ヒィッ…ヒイイィーイッ…苦しいわ…お父さま…お父さま助

けて、もうだめ…お願い殺さないで…ああっ…死ぬのはいや…死ぬなんていやだ…。」

そして処刑が始まって1時間後、珠子は胸から下をほとんど隙間なくミミズに覆い尽く

され、ミミズの塊のような胴体から美しい顔としなやかな手足だけを突き出させたよう

な無残な姿で、断末魔に全身を引きつらせるだけになってしまう。がっくりとうなだれ、

しかしまだ死に切れずにこの世のものとも思われない苦痛と恐怖に喘ぐ珠子は、もう悲

鳴すらあげえない口から、鮮血をしたたらせている。「そろそろ最後かな、じゃ、止め

を刺してやるとするか。」そしてその処刑を堪能した一寸法師は楽しそうに言うと珠子

の両足を縛った縄を解く代わりに、その足首に各々一頭ずつの馬を縛り付ける。

 しかし珠子はもうその事すら気付かない。「うう…うああ…お父さま助けて…お父さ

まお願い、ああう…お父さま助けて…ああ…お願い死にたくない…死にたくないよう…。

」それでもこんな嬲り殺しにされる屈辱と絶望、口惜しさに、珠子はなおも最後の力を

振り絞るように許しを乞い続ける。しかしそんな珠子の姿を楽しみながら、手下らは2

頭の馬を同時に左右に走らせる。「ギャアアアーアッ、ギィエエーエッ…ヒエエエーエ

ッ…。」ぐったりとなっていた珠子の目が眼球が飛び出さんばかりに見開かれ、人間離

れのした絶叫がほとばしると同時に、ミミズに食い荒されてもろくなっていたのだろう、

しなやかな両足は簡単に体から毟り取られ、馬に地面をひきづられていく。一方、骨盤

を残して下半分を失った胴体からほとんどミミズの塊になった内臓が、団子のようにな

って地面に溢れる。

 「ああう…ああっ…そんなこと…。」珠子はそれでもなお十秒ほどの間、自分に起こ

ったことが信じられないように目を見開いて喘いでいたが、やがてぐったりとうなだれ

そのまま動かなくなる。こうして美しい令嬢、頭も良く慎み深く誰からも好かれた相川

珠子という令嬢は、想像を絶する残酷な地獄の中でわずか18年の生涯を終える。そし

て両足を毟り取られた珠子は磔台に縛り付けられたまま、引きちぎられた左右の足は、

各々磔台の腕を縛り付けた横木にぶらさげられて晒物のようにされてしまう。ミミズが

珠子を骨だけにするのにはまだまだ時間がかかりそうだ。
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